「全館空調」専門の住宅会社 株式会社 住宅日和

NEWS & BLOG お知らせ・ブログ

全館空調はエアコン1台vs2台どっちが正解?コスト・快適性・メリット・デメリットで徹底比較!

ブログ

目次

1.全館空調とは

2.エアコン1台の全館空調とは?

3.エアコン2台の全館空調とは?

4.エアコン1台と2台の比較

5.失敗しないためのチェックポイント

6.向いているのはこんな人!選び方の目安

7.よくある質問

全館空調とは

全館空調とは、家全体の温度を一括で管理し、すべての部屋を快適な温度に保つ空調システムです。個別エアコンとは異なり、リビングや寝室だけでなく廊下やトイレなどの温度差をなくすことで、家中どこでも快適な居住空間を実現できるのが特徴です。一般的な全館空調では、エアコン1~2台で冷暖房することが多くあります。

近年では、ヒートショックの予防や室内の温度ムラをなくす健康面での効果、冷暖房効率の向上による省エネ性の観点から、注文住宅や高性能住宅を中心に導入が進んでいます。全館空調には様々なタイプがあり、採用するタイプによって設備の内容・快適性・コスト・メンテナンス性などが大きく異なります。

全館空調の基本的な仕組み

全館空調の基本的な仕組みは、1~2台の冷暖房設備を使って家中に冷風や温風を送り、冷暖房する方法です。冷暖房設備は家庭用エアコンを使うことが多く、システムによって専用設備を使う場合もあります。また、ダクトを通じて送風する場合と自然に空気を循環させる方法があります。

全館空調の冷暖房方法は主に3通りあり、ダクトを通じて風を送る方法は「送風式」、温度差による空気の移動を利用して風を送る方法は「循環式」、風を送るだけではなく床下や小屋裏などを冷暖房することで床や天井からの輻射熱も併せて利用する方法を「複合式」と呼ばれます。また、エアコンの台数で方法が変わる訳ではありません。

全館空調のよくある間違いは、全館空調は冷暖房システムであり換気設備ではないことです。基本的に全館空調は、家の中の空気を循環・冷暖房するものであり、室内と外の空気を入れ替える換気設備は別途必要です。但し、一部のシステムで採用されている専用設備では、換気機能も一体となっているものもあります。

エアコン1台の全館空調とは?

エアコン1台の全館空調とは、エアコン1台で家中を冷暖房する空調システムです。全館空調システムの中では最も多く、多様なシステムが存在しています。効率的な空調設計によって部屋ごとの温度ムラを抑えて高い快適性を実現し、エアコン1台だから実現できる維持費用と電気代の安さが魅力です。

空調方法

空調方法は、ダクトを通じて風を送る「送風式」、温度差による空気の移動を利用する「循環式」、送風と輻射熱も併せて利用する「複合式」のいずれのシステムも存在しています。但し、エアコン1台の場合における循環式は、冷房・暖房どちらかが非対応である場合があるため注意が必要です。

エアコン1台のメリット

エアコン1台の全館空調のメリットは、効率的なシステム設計と維持費・電気代の安さです。エアコン1台の冷暖房は間取りに応じたダクト配置など細かく計算されていることが多く、温度ムラなく快適に過ごせます。また、2台に比べて故障や不具合のリスク、設備交換やメンテナンス頻度など全てが半分で済み、更に電気代も安く済みます。

また、平屋や建物面積が大きい住宅など規模に応じて導入しやすいのもメリットです。エアコン2台の全館空調では、2台で家全体を冷暖房するため、想定している空調範囲がエアコン1台の全館空調と比べて半分程度になります。仮に建物面積が増えると空調範囲も広がるため、エアコン2台のシステムではエアコンが3台、4台と必要になるのに対し、エアコン1台の全館空調では建物面積が増えても面積に応じて最小限のエアコン台数で済みます。

エアコン1台のデメリット

エアコン1台の全館空調のデメリットは、冷暖房どちらかの効果が弱い、もしくはどちらか非対応のシステムがあることです。温度差による空気の移動を利用する循環式に多く、床下にエアコンを設置している場合は冷房、小屋裏にエアコンを設置している場合は暖房に弱い傾向にあります。

温かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する性質があります。床下にエアコンを設置する場合、温かい空気は上に移動するので1階はもちろん2階にも温かい空気が届きやすいため暖房の効果はある一方、冷房運転では冷たい空気は下に留まりやすく上に移動しにくい状況になり、2階が暑くなる場合があります。反対に、小屋裏にエアコンを設置する場合、冷房はよくても暖房の効果が弱いということが考えられます。

このような温度ムラを無くすためにダクトを通じて確実に温風や冷風を届けるのが送風式や複合式があるため、システム選びには注意が必要です。

エアコン2台の全館空調とは?

エアコン2台の全館空調とは、エアコン2台で家中を冷暖房する空調システムです。エアコン1台の全館空調に比べるとシステムの種類は少ないですが、冷暖房効果が弱い、冷暖房どちらか非対応ということがないため、安心して選びやすいことが特徴です。

空調方法

エアコン2台の全館空調の場合、ほとんどがダクトを通じて風を送る「送風式」による空調方法です。温度差による空気の移動を利用する「循環式」は、夏と冬で使い分けるために2台設置しているシステムもありますが、稼働するのは1台です。また、循環式では冷暖房の補助として全館空調ではない2台目のエアコンを別途設置する場合もあります。

エアコン2台のメリット

エアコン2台の全館空調のメリットは、冷暖房効果が確実で複雑なシステム設計を要しないことです。エアコンが2台になることから1台あたりの空調範囲が狭く、送風距離も短く済むため冷暖房効果が安定しています。また、その分複雑な設計がなくても導入しやすいため、比較的安価に導入できるシステムもあります。

別のメリットとしては、故障時のリスクが挙げられます。1台が壊れても、もう1台を稼働させることである程度の冷暖房効果を得ることが可能になります。

エアコン2台のデメリット

エアコン2台の全館空調のデメリットは、温度差が出やすく維持費・電気代が高いことです。複雑なシステム設計が不要な分、エアコンから近い部屋や廊下などの冷暖房が効きすぎてしまうなど温度差が出やすくなります。また、エアコン2台分になることで故障や不具合のリスク、設備交換やメンテナンス頻度など全て増加し、電気代も高くなります。

エアコン2台は、1台と比べて簡単に冷風や温風を各スペースに送り込むことができます。各スペースに送る風量は調整して設計されていますが、居住後は調節が必要な場合が多くあります。そのため、風量を上手くコントロールできれば温度ムラをなくすことができますが、実質的に風量調整の幅がスペース毎で異なることになります。

但し、エアコン2台でも冷房と暖房で稼働させるエアコンが異なる場合は、システム設計がしっかりされている場合がほとんどです。そのため、温度ムラに関する心配はあまりないですが、維持費や設備交換費用などが倍になります。また、エアコン2台あっても冷房用のエアコンが夏に故障するなどの可能性を考慮すると、エアコン1台でしっかり空調設計されているシステムと比較するとあまりメリットはありません。

エアコン1台と2台の比較

エアコン1台と2台の全館空調を比較すると、ランニングコストではエアコン1台が安いですが、導入コストや快適性、結露リスクでは台数よりもシステムが影響します。

導入コスト

エアコン1台と2台の全館空調の導入コストは、台数による違いはありません。全館空調の導入コストの違いは「システム設計」と「空調設備」で決まります。各スペースに送る風量やダクト設計などを専門家や全館空調メーカーが行う場合、エアコン以外の専用設備を使う場合は200~300万円、それ以外は100~200万円で導入できます。

エアコン1台の全館空調の場合、冷風や温風をどのスペースにどれだけ送るか、そのためのダクト配置はどうするかなどしっかりと計算しなければ効果的な冷暖房はできません。そのため、全館空調システムを提供しているメーカーや専門家がシステム設計を行うことが多いです。また、ハウスメーカーや工務店が導入しやすいように、システム設計を簡易化する代わりに家庭用エアコンよりも強力な専用設備を使用することで全館空調システムを実現している場合もあります。

一方、エアコン2台の全館空調の場合、1台と比べて複雑な設計や強力な設備を必要とせず、施工業者の判断で設置可能な場合もあるため比較的安価で導入することもできます。

これらの理由から、エアコン1台の全館空調の導入費用は200~300万円になることが多いです。200万円を大きく下回るシステムで、「専門家やメーカーによる設計ではない」「専用設備ではない」場合には注意が必要です。

ランニングコスト

エアコン1台と2台の全館空調のランニングコストは、エアコン1台の方が安いです。エアコンやシステムの機器交換、修繕、メンテナンスの各費用は、エアコン2台では1台と比べて倍になります。また、電気代については使い方にもよりますが、エアコン1台の方が安くなる場合がほとんどです。

全館空調の場合、高気密・高断熱とセットで導入されることがほとんどです。高気密・高断熱住宅では、一度冷暖房してしまえば、エアコン1台であってもフルパワーで運転し続ける必要はありません。また、エアコン2台は主に冷暖房ゾーン(1階と2階など)が異なるため、常に快適な空間を維持する場合は両方稼働させる必要があり、電気代もその分かかることになります。但し、こまめに温度調整や運転管理をすることで電気代を抑えることもできます。

快適性

エアコン1台と2台の全館空調の快適性は、温度の安定感や管理ではエアコン1台、冷暖房能力ではエアコン2台です。エアコン1台の場合、どのスペースも設定温度と同等、または近い温度で保たれるため温度の安定感と管理では優れていますが、システムによって冷暖房どちらかの効果が弱い場合があります。

エアコン2台の場合、温度センサーが2カ所につくこと、温度差による空気の移動があることから温度管理を上手くしなければ冷暖房が一部スペースで弱い、もしくは効きすぎてしまう場合があります。冷暖房効果が弱いことはあまりないですが、温度センサーの位置によって冷暖房が不十分と感じる場合もあります。

結露のリスク

エアコン1台と2台の全館空調の結露のリスクは、どちらも変わりません。台数よりもシステムによってリスクは変わります。空調設備やダクト周辺の温度や湿度、送風する冷風・温風の温度が大きく影響するため、結露対策を講じているシステムであるか見極める必要があります。

失敗しないためのチェックポイント

全館空調は、選ぶシステムで得られる効果、メリットとデメリットが変わります。全館空調は様々なシステムがあり、チェックポイントも多いため比較することは難しいですが、基本的に空調方法、通気口の位置と導入地域、結露対策の有無を意識することが大切です。

選ぶシステムで全てが変わる

全館空調は様々なシステムがありますが、空調方式でタイプを大まかに分けることが可能です。空調方法は、「送風式」「循環式」「複合式」があり、選ぶシステムによってメリットとデメリットがあるため、知っておくと自分たちに合ったシステム探しに役立ちます。

・送風式

送風式は、ダクトや風道を通じて冷風や温風を各スペースに送る冷暖房方法です。メリットは、冷暖房効果に優れており、寒い・暑いと感じることはほとんどないことです。デメリットは、温度が低い(高い)風がそのまま送られるため、温度ムラが起きやすく、ダクトや通気口周辺の湿気対策がされていないと結露のリスクがあることです。

・循環式

循環式は、温度差による空気の移動を利用して風を送る冷暖房方法です。メリットは、結露のリスクは送風式と比べて低く、ダクトやファンが不要であることです。デメリットは、空調設備の設置場所によって冷房・暖房どちらかの効果が弱くなる傾向にあることです。

・複合式

複合式は、風を送るだけではなく床下などを冷暖房することで床冷暖房のような輻射熱も併せて冷暖房する方法です。メリットは、温度ムラや結露リスクも少なく、足元から冷暖房効果を感じやすいことです。デメリットは、実現できるシステムが少ないため、地域によって導入できない場合があることです。

通気口の位置と導入地域

全館空調システムにおいて、通気口の位置と導入地域は快適性を左右する重要なポイントの一つです。温かい空気は上へ、冷たい空気は下へいくため、温風は下から、冷風は上から送られると部屋全体が冷暖房されやすくなります。

暑い地域では暖房よりも冷房効果を重視する傾向にあるため、通気口は部屋の上部に付いている方が良く、反対に寒い地域では暖房効果を重視するため、床など部屋の下部に通気口がある方が冷暖房効果を感じやすくなります。適切な設定温度に保つことができるため電気代節約に繋がります。

実際に、暖房を重視する北海道ではシステムの多くが床に通気口が設置されており、全国的に導入されているシステムの標準は部屋の上部(天井もしくは壁上部)に通気口が設置されていることがほとんどです。

結露対策

全館空調システムの中には、結露しやすいシステムも存在しています。結露が起きると、カビが繁殖しやすい環境になり、ダクトや設備交換など維持コストの上昇にも繋がってしまいます。一般的に結露は冬に起きやすいですが、全館空調の場合は夏に起きやすい空調設備とダクト内外の結露に注意が必要です。

結露の発生は、温度差と湿度が大きく関係しており、湿度が低くても温度差が大きいと結露が生じ、温度差が小さくて湿度が高いと結露します。冬の湿度は低いですが、室内の温かい空気が窓など温度の低い部分にあたり冷やされること結露が生じます。夏の場合、温度差がそれほどなくても湿度が高いと少しの温度差でも結露を引き起こします。

夏の全館空調では、空調設備周辺やダクトの内外は冷房により温度が低くなりますが、空調設備やダクトが設置されている小屋裏、床下などは空気の循環が少なく、高温多湿になっている場合があります。エアコンから流れる冷風は10℃前後のため、仮に湿度が高ければ温度差による結露が生じやすい状況になります。そのため、結露対策として何が行われているかしっかりと確認しておく必要があります。

向いているのはこんな人!選び方の目安

エアコン1台・2台で構成される全館空調には、それぞれに向いている人・家庭の特徴があります。設備の性能や価格だけで選ぶのではなく、家族構成、生活スタイル、重視する価値観に応じて最適な方式を選ぶことが、後悔しないポイントです。

ここでは「エアコン1台方式」と「エアコン2台方式」それぞれに向いている人の特徴を紹介します。

エアコン1台方式に向いている場合

エアコン1台の全館空調に向いている人は、快適性が高くランニングコストを抑えたい人です。エアコン1台の全館空調は温度ムラが少なく、2台と比べて管理も楽です。また、エアコン1台のため電気代も安く、メンテナンスや設備交換費用なども抑えることができます。

エアコン2台方式に向いている場合

エアコン2台の全館空調に向いている人は、設定温度をスペース毎に変えたい人です。2世帯住宅のように、年齢や家族構成が異なると快適に感じる温度も変わるため、1階と2階など一定のスペース毎に設定温度を変えたい人は、エアコン2台の全館空調に向いています。

よくある質問

全館空調にエアコンを2台使っても効果はある?

全館空調にエアコンを2台使っても、効果はほとんど変わりません。エアコン1台でも2台でも、全館空調の効果はシステム設計によって異なります。全館空調は、適切な冷暖房効果が得られるようにエアコン1台、もしくは2台を基本としてシステム設計されているため、台数を増やすことで効果が上がることはないです。

エアコン1台の全館空調はなぜ高額なの?

エアコン1台の全館空調が高額な理由は、高度なシステム設計と建築コストが掛かるからです。エアコン1台で冷暖房するためには、間取りや住宅性能などから冷暖房効果を得られるようにダクトの配置などを考える必要があります。また、効果を得るために高気密・高断熱住宅であることが求められるため建築コストが掛かります。

エアコン2台で光熱費は高くならない?

エアコン2台で、光熱費は高くなります。エアコンの台数が増えるため、消費するエネルギーもその分増え、光熱費が高くなります。エアコン1台の場合、稼働が1台分であることに加え、昨今の新築住宅では一定以上の断熱性能が備わっているため、一度冷暖房するとフルパワーで運転しなくても快適に過ごすことが可能です。

全館空調とエアコン併用は可能?

全館空調とエアコン併用は、可能です。全館空調システムの中にも、冷房・暖房どちらかの補助設備としてエアコンの設置を推奨しているものもあります。特に、温度差による空気の移動を利用したシステムの場合、空調設備の設置場所で冷暖房どちらかの効果が弱い傾向にあるため、エアコンの併用は有効です。

故障時は1台止まっても快適性は保てる?

故障時は、1台止まると快適性を保ち続けることはできません。エアコン1台、2台どちらの全館空調も片方が故障すると快適ではなくなります。エアコン2台の全館空調は、2台で家中を快適にする設計となっており、冷暖房範囲も異なるため、1台でも止まると、エアコン1台の全館空調と同様に快適さを失います。

お問い合わせ

LINEでお問い合わせはこちら

  • お名前
    必須
  • ふりがな
    任意
  • メールアドレス
    必須
  • メールアドレス(再入力)
    必須
  • 何を見て当社HPを
    知りましたか?

    任意
  • ご希望の日時・お問い合わせ内容
    必須


※個人情報の取扱に関しては、プライバシーポリシーのページをご覧ください。


一覧に戻る

海を臨むリビングのある
モデルハウス@余市

モデルハウスについて

CONTACT お問い合わせ

0120832836
定休日 / 毎週水曜日
営業時間 / 9:00 - 18:00
  • メールでお問い合わせ
  • LINEで相談