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「全館空調とカビの関係|原因から防止策まで徹底解説」

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全館空調

全館空調でカビが発生する?

全館空調では、選ぶシステムと管理方法によってカビが発生するリスクがあります。全館空調システムは、家全体の温度差が少なく結露を防ぐことができ、空気を循環させるため埃がたまりにくく、カビの発生・発育を抑える効果があります。しかし、適切に管理されていない場合や選ぶシステムによって、カビのリスクを高める可能性もあります。

カビが発生する原因は何か?

カビが発生する主な原因は、湿度の高さと適切な換気が行われていないことです。カビの発育における重要な要因は、湿度・温度・埃の3つです。湿度が60%を超えるとカビは発育し、温度は20~30℃で最も育ち、換気が行われないと湿度が変化しやすく埃もたまるのでカビが発生しやすくなります。

梅雨や夏では湿度が高くなりやすく、冬は外気温と室温の温度差により結露が起きやすいです。また、季節の変化と共に押し入れのような空気が滞留する場所は湿度が変化しやすくなります。そのため、年間を通じて室内温度が20~30℃で設定されている住宅は、湿度と換気状況によってカビが発育しやすい環境に変わってしまうということが言えます。

全館空調とカビの関連性: 長所と短所

全館空調システムは、適切に使用すればカビの発生を抑制する一方で、管理が不十分だとカビのリスクを増大させる可能性があります。ここでは、全館空調とカビの関連性について、メリットとデメリットを解説します。

全館空調がカビ防止に有利な理由

全館空調は、家全体の空気を均一に循環させ、湿度や温度を一定に保つことができるため、カビの発生を防ぐ効果があります。特に、湿度を適切に管理できるシステムは、湿気がこもりやすい場所でも空気を送ることで、カビの繁殖を抑えることができます。

さらに、部屋ごとにエアコンを設置する必要がなく、一括管理ができるため、特定の部屋だけが湿気や温度変化でカビが発生するリスクを減らします。温度差の少ない環境を維持することで、結露を防ぎ、カビの発生条件を取り除くことができます。

全館空調の導入がカビに対して不利になる場合

全館空調が適切に運用されていない場合、逆にカビのリスクを高める可能性があります。特に、空調・換気フィルターが汚れていると空気の流れが悪くなり、湿気がこもることがあります。また、湿度管理が不十分で、湿気が家全体に広がると、カビの温床となる可能性が高まります。

さらに、全館空調はエネルギー効率が高い反面、メンテナンスを怠るとシステム全体の効率が低下し、湿気やホコリが溜まりやすくなるため、カビが発生しやすい環境を作り出してしまうことがあります。

全館空調でのカビ防止の具体策

全館空調でのカビ防止の具体策は、湿度を60%以下に抑え、結露を防ぎ、空気を循環させ、埃を溜めないことです。温度と湿度の管理や計画的な換気、定期的なメンテナンスを適切に行うことで、カビのリスクを最小限に抑えることができます。これらは、システムの選び方と使用方法がとても重要になります。

カビ防止の具体策

①年中通して、湿度を60%以内に抑える。

②結露を防ぐために、住宅性能(特に断熱性と気密性)を上げ、温度差を生じさせないために、高温・低温の空気を直接流さないシステムを選ぶ。

③湿気を抑え、埃が溜まらないようにダクト周辺や風道にも空気が流れるシステムを選び、冷房・暖房のいずれか片方に特化したシステムは選ばない。

④換気は第一種換気で、空調を稼働させない時期でもダクトや風道を換気できるシステムを選ぶ。

⑤メンテナンスを定期的に行う。メンテナンスが容易で、専門業者を必要としないシステムを選ぶ。

全館空調におけるカビ対策は以上の5点がとても重要になります。下記で詳しく解説していきます。

湿度管理の方法

湿度はカビの発生に大きく影響するため、全館空調を使用している場合でも湿度管理が不可欠です。湿度が60%を超えるとカビは発育するため、60%を超えないように管理する必要があります。そのため、湿度計や湿度表示のある温度計などを設置して気に掛けておくことが重要になります。

梅雨から夏にかけては気温も湿度も高く、特に対策が必要な時期になります。梅雨から夏にかけて、一般的にはエアコンで除湿や冷房をすることが多くなるでしょう。多くの全館空調では、エアコンなどのヒートポンプ技術を利用した空調設備を採用しているため、使用するだけで一定の除湿効果を得ることが可能です。個別エアコンのように付けたり消したりするのではなく、湿度の高い梅雨や夏は常に稼働させておくことで除湿効果を得られます。それでも湿度が下がらない場合、設定温度を下げたり除湿機能を使用することも効果的です。

冬の場合、基本的に湿度は下がるためそこまで気にする必要はありませんが、結露に気を付ける必要があります。また、加湿器を使用する場合は湿度が40~60%になるように調整し、加湿しすぎないように注意することが大切です。また、表面温度が低い窓の近くで加湿器を使用すると結露の原因となるため、比較的温度が低い場所には設置しないようにしましょう。

結露対策

空気中に含むことができる水蒸気の量は決まっており、気温が高い程水蒸気を多く含むことができます。気温が下がると空気中に含むことのできる水蒸気量は減るので液体(水)となって現れます。これを結露と言います。

結露のポイントは、気温差と湿度にあります。湿度が高ければ高いほど、気温差がほとんどなくても結露します。反対に気温差が大きいと、湿度がほとんどなくても結露します。例えば、気温30℃・湿度90%では気温が2℃下がるだけでも結露しますが、気温30℃・湿度10%では0℃になっても結露しません。この結露する気温を露点温度と言います。

下記は、露点温度を簡易的に表したものです。

左が気温、上が湿度を表しており、気温と湿度を結んだ部分に表示してある温度が露点温度で、これよりも気温が下がると結露します。(気温30℃・湿度50%であれば露点温度が18.4℃、気温25℃・湿度60%であれば露点温度16.7℃という見方です)

例えば、夏に気温が35℃で湿度が80%の外気が住宅内に入ってきたとします。冷房で室内を涼しくすると、壁なども冷やされていきます。隙間から入り込んだ外気が、冷たい壁などに入り込むと外気は急激に冷やされます。このとき、入り込んだ外気が露点(この場合は31℃)になると結露を起こします。これを内部結露と呼びます。また、冬に暖房をつけて室内の気温が23℃で湿度が50%になったとします。この空気が、冷えた窓で冷やされて露点(この場合は12℃)になると結露を起こします。これを表面結露と呼びます。

結露対策では、内部結露と表面結露に気を付ける必要がありますが、ポイントになるのは「住宅性能」と「温度/湿度管理」です。

・住宅性能

住宅性能では、特に断熱と気密が重要になります。断熱性能が低ければ。窓や壁、基礎コンクリートの表面温度が変化しやすく結露の原因となります。また、断熱性が良くても気密性が低い(隙間が多い)住宅では外気が入りやすいため気温差によって結露しやすくなります。多くの全館空調では、住宅性能の基準として「断熱等級5以上とC値(相当隙間面積)1.0c㎡/㎡以下」を最低基準としていますが、住宅性能に基準のないシステムであれば最低限これらの性能を満たすように建築会社に依頼しましょう。仮に基準がある場合でも、設計性能評価・建設性能評価・気密測定など第三者による検査を行うことで、より安心することができます。

・温度/湿度管理

全館空調の場合、普段見えない部分の温度と湿度に気を付けることが重要です。例えばエアコンの場合、冷房では吸い込んだ空気から10℃前後低い冷風を出し、暖房では40℃以上の温風を出します。全館空調システムでは高温・低温の空気をそのままダクトや風道を通じて送るシステムが多く、空調設備周辺やダクト(風道)とその他の箇所で温度差が生じるため、もし湿度が高いスペースがあると結露の要因になってしまいます。そのため、なるべく高温・低温の空気を直接送風せず、湿度が高くならないように設計されたシステムを選ぶことが重要です。

空気の循環を効果的に行う方法

空気の循環が悪いと、湿気や埃が家の一部に溜まり、カビの発生につながります。全館空調システムは家全体の空気を循環させる設計になっているため、正しく機能していればカビを防ぐ効果があります。ただし、システムによって空気の循環が上手くいかない場合もあるため注意が必要です。全館空調の場合では、「送風方式」に注意しましょう。

・送風方式

全館空調は、エアコンのように空気を温める(冷やす)「対流式」、床暖房のように温める「輻射式」、両方の要素を取り入れた「複合式」に分けることができ、住宅では主に「対流式」と「複合式」が使われています。※全館空調の種類について詳しくはこちら

対流式が最も多いシステムで、空気を循環させる方法は「送風式」と「循環式」の2通りあります。

・送風式

送風式は、主にダクトを通じて各スペースに温風や冷風を直接流す方式です。直接風を流すので各部屋の空気は循環しやすいですが、空調設備のある天井裏や床下、ダクトのあるスペースでは空気が循環しにくいシステムもあるため注意が必要です。

・循環式

循環式では、主に床下や壁間、天井裏などに風道を設け、温度差による空気の移動を利用して空気を循環させる方法です。空調を稼働させない時期や、冷房と暖房で空気の循環に違いがあるなど、空気の循環が不安定なシステムもあります。特に、冷房・暖房いずれかの用途に限定しているシステムの場合は注意が必要です。

各部屋だけではなく普段見えない部分の空気も循環され、季節や空調の利用に関わらず空気が循環されるシステムを導入することが重要です。

換気方法に注意

換気は、室内の空気と外気を入れ替え、室内の空気を新鮮に保つことを目的としています。換気システムと換気範囲について注意しなければ、カビの原因となってしまいます。

・換気システム

換気システムには、「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」の3種類あり、外の空気を取り入れる「給気」と室内の空気を外に出す「排気」を機械で行うか、自然に行うかで違いがあります。

第一種換気は、給気・排気共に機械で行い、第二種換気は、給気を機械、排気を自然排気、第三種換気は、給気を自然給気、排気を機械で行います。第一種換気と第二種・第三種との大きな違いは気圧の仕組みを利用しているかどうかです。

室内の空気圧が外の空気よりも高いと「正圧」、低いと「負圧」と言い、気圧は高いところから低いところに流れる仕組みになっているため、正圧では外に空気が流れやすく、反対に負圧では外から空気が入りやすい状態になります。この仕組みを利用して、第二種では、機械で給気を行うことで室内を正圧にし、外へ自然に空気が流れるようにしています。第三種では、機械で排気を行い室内を負圧にすることで、外から自然に空気が入るようにしています。

一見すると、どちらも良さそうに思いますが、そもそも空気圧の関係で換気が不安定になること、外気が入って寒い・暑いなどの理由で給排気口を閉じてしまうなど、環境や使用方法によって換気が適切に行われないという問題があります。また、湿度の高い空気をそのまま給気したり、温めた(冷やした)空気をそのまま排気してしまう点もデメリットとしてあります。そのため、機械によって確実に換気が行われ、熱の再利用と湿度を一定に保つことのできる第一種換気の中でも「全熱交換型の換気システム」が推奨されています。

・換気範囲

建築基準法では、1時間あたり0.5回(2時間で1回)家全体の空気が入れ替わるようにするなど、換気の計算をしなくてはいけません。換気計算では、必要な換気量を求めますが、住宅では一般的にまず「気積(床面積×天井の高さ)」を求めてから「1時間の換気回数(0.5回)」を掛けて求めます。イメージとしては下記の範囲が気積となります。

部屋や水回りなどは必要な換気量として計算しますが、床下や階間、小屋裏は計算に含んでおらず、一定の決まりはあっても細かい計算を必要としません。全館空調の場合、床下や小屋裏、または壁の間などにダクトや風道をつくりますが、これらの換気を計算した上で給排気口が設けられていないことが多く、空調設備周辺やダクトスペースの換気を想定していない場合もあります。特に、冷房や暖房など空調設備を使用しない期間に空気が流れないシステムには注意が必要です。もし、換気量が足りない、風道などの換気を想定していない、空調稼働時のみ換気されるなどのシステムの場合、空気が滞留しカビの原因となってしまう可能性があります。

これらの対処方法として、まずは計画的に換気を行うことができる「第一種換気」を選び、空調の稼働時以外にもダクトスペースや空道、空調設備周辺で空気が循環するシステムを選ぶことが大切です。

定期メンテナンスでカビを防ぐ

全館空調のシステムは、定期的なメンテナンスが非常に重要です。システムによって異なりますが、共通して空調設備と換気設備のメンテナンスは重要です。換気設備のフィルターが汚れていると、空気が正常に流れず湿気が溜まりやすくなるため、定期的な掃除が必要です。また、空調設備では設置業者の推奨する方法で定期的にメンテナンスが必要となります。メンテナンスが容易で、専門業者を必要としないシステムを選ぶ方が無難です。

新築住宅でのカビ対策

全館空調を導入しない新築住宅でのカビ対策は、より一層難しくなります。湿度を60%以下に抑え、結露を防ぎ、空気を循環させ、埃を溜めないことは一緒ですが、結露対策が非常に難しくなります。

各部屋の冷暖房を全て稼働させ、湿度も考慮して露点温度にならないように全てのスペースを温度管理する必要があります。特に、玄関や収納など温度差が大きくならないように注意が必要です。個別の冷暖房では温度差が生じやすくなるため、湿度管理も厳しく行う必要がり、換気を細めに行うことも欠かせません。また、暖房設備の配置も重要で、窓など温度が低くなりがちなスペース周辺に暖房器具を置くと、温かい空気が急激に冷やされて結露を起こす可能性があるため、配置にも注意が必要です。

そして一番大きな点は、外出時の冷暖房です。外出時に冷暖房を切ってしまうと、帰宅して設備を付けたときに大きな温度差が生じます。外出時でも、一定温度に保つ機能がある場合は、その機能を活用してなるべく温度差を最小限にしましょう。また、熱が簡単に逃げないように住宅性能(断熱性と気密性)はより一層重要になるため、性能評価など設計時から第三者機関による検査を受けることをおすすめします。

よくある質問

全館空調を導入した際、カビに関する疑問が多く寄せられます。ここでは、よくある質問に対して具体的な回答を紹介します。

全館空調がカビ臭い原因は?

全館空調がカビ臭いと感じる場合、主な原因はフィルターやダクトに溜まったホコリや湿気が原因でカビが繁殖している可能性があります。特に、メンテナンスが不十分だと、湿度の高い時期にカビが発生しやすく、これが原因で室内にカビ臭が広がることがあります。定期的なフィルター清掃やダクト内の点検・掃除がカビ臭対策に有効です。

全館空調のフィルター交換はどのくらいの頻度で必要ですか?

全館空調のフィルター交換は、一般的に3か月に一度が目安となります。季節によっては、花粉やホコリが多くなる時期もあるため、汚れ具合を確認しながら頻度を調整すると良いでしょう。ただし、空調機器によって交換時期が異なり、フィルター交換が不要なシステムもあるため、設置業者に確認しましょう。

全館空調の寿命はどのくらいですか?

全館空調システムの寿命は、通常15~20年程度とされています。ただし、定期的なメンテナンスや部品交換を適切に行うことで、より長期間使用することが可能です。また、空調機器の入れ替えのみで継続して使用可能なシステムもあります。

エアコンがカビてしまったらどうすればいいですか?

エアコンがカビてしまった場合は、まずフィルターや内部を徹底的に清掃する必要があります。市販のカビ除去スプレーなどを使用することで、表面のカビを取り除くことができますが、内部にカビが侵入している場合は、専門業者に依頼してクリーニングを行うことが最も効果的です。早めの対応が、カビの拡大を防ぐポイントです。

全館空調の欠点は何ですか?

全館空調の欠点としては、初期コストが高いことや、定期的なメンテナンスが必要であることが挙げられます。さらに、選ぶシステムや管理が不十分だと、湿気やホコリが溜まりやすくなり、カビのリスクが高まることもデメリットの一つです。ただし、欠点を適切に管理することで、快適で清潔な空気環境を維持することが可能です。

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