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【2024年札幌】土地価格の予想

【2024年札幌】土地価格の予想

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今年1月に2024年の住宅市場(札幌市)に関する記事を記載しました。
あれから3か月経過したので、これまでの状況も踏まえて今回は「土地価格」に特化して更に詳しく解説していきたいと思います!

目次

①2024年の土地価格予想

②土地価格が下がる理由

③土地価格はどのくらいになる?

④土地の買い時

①2024年の土地価格予想

今年は、全体的に土地価格が下がり、地域によって価格差が広がります!

2023年も土地価格は少し下がりましたが、減少は僅かで体感としてはまだまだ高いなという感じでした。
しかし、2024年は土地価格の下落を大きく感じる年になると思います!

その理由を、前回ご紹介できなかった分を中心に一気にお伝えします!

②土地価格が下がる理由

実はこの数年で札幌の住宅・土地市場に大きな変化があり、その影響により土地価格が下がりやすい状況になっています!
地域によって価格差が広がることも予想されています。

〇土地価格が下がりやすい理由

・未成約の土地が増えている
ここ数年、札幌だけでなく北海道全体で未成約の土地(売れていない土地)が増加しています。下記はREINS(公益財団法人東日本不動産流通機構)に登録されている北海道における新規物件(新しく売りに出された土地)と未成約の土地件数の推移です。

3年前(2021年3月)は約2,300件の未成約の土地がありましたが、2024年3月では約4,200件と大幅に増えています。また、新規物件数も増えており2021年と比べて2023年には約1.5倍の850件/月平均となっています。未成約の半数以上は札幌市内の土地であることから、「札幌市では例年よりも売れ残っている土地が多い状況」と言えます。

・住宅地の売買が減っている
住宅地の多くは、「注文住宅の建築」と「分譲戸建の建築」を目的として売買されますが、下記からわかる通りこの数年はどちらも大きく減少しており、未成約の土地が増えている原因の一つになっています。

北海道における持家・分譲住宅の建築件数はこの数年で大幅に減少しており、注文住宅は最小戸数を更新するなど驚くほど下がっています。札幌市の統計によると売買等による一般土地の所有権移転件数は2021年から2023年で約1,500件も減少しており、新築住宅の建築数減少が未成約の土地の増加に大きく影響していることがわかります。
建築戸数が減少している大きな理由として、建築費用と土地価格の増加が挙げられますが建築費用が大きく下がる要因は今のところありません。つまり、「土地価格が下がらなければ住宅地の売買は低調が続く」と言えます。

今の札幌の土地は、厳しい言い方をすると「在庫がたくさんある状態」です。売るためには当然価格を下げなければならないので、今年は全体的に土地価格が下がるだろうと予測されます。

〇価格差が広がる理由

・利便性の高い土地は需要がある
持家や分譲住宅の建築戸数が減少している一方で、札幌では賃貸住宅の建築戸数が伸びており特にファミリータイプ(60~100㎡)は2021年から2023年で600戸以上増加しています。新築住宅の価格が高くなり、持家から賃貸を考える人が増えたことが主な理由とされています。今後も、ラピダス(半導体メーカー)の工場建設によって道内外から雇用が増えること、更に札幌中心部の開発などの影響により賃貸住宅の建築戸数は堅調に推移すると思われます。賃貸住宅の場合、立地の良い場所であることが求められますので利便性の高い地域や人気エリアなどは引き続き需要が見込まれ一定の価格が維持されると思われます。

・土地価格が高くなる(維持する)地域がある
土地価格が高まったり維持するような出来事が札幌市内や近郊エリアでいくつかあります。

・エスタ跡地の開発
・札幌駅南口広場周辺の開発
・大通西4南地区の開発
・新さっぽろエリアの開発
・エスコンフィールド周辺の開発
・ラピダスの工場建設

一般的に街の開発が行われると、新たなお店や生活に便利な施設等が出来ることで利便性が向上し景観も良くなるので土地の価格も上がります。そのため、札幌駅周辺・大通り・新さっぽろ駅・エスコンフィールドとその周辺地域の地価(土地の価格)は上がる(既に上がっている)可能性が高いと言えます。


また、街の開発とは異なりますがラピダス(半導体メーカー)の工場建設も大きな影響を与えます。熊本ではTSMC(半導体製造メーカー)の工場建設が2022年から行われ、人口増加&新規商業施設の建設などにより住宅地や商業地の地価が大きく上昇し、付近のエリアにまで影響しました。千歳市も同様で、令和6年地価公示において変動率上位10地点のうち住宅地で4地点、商業地では3地点も千歳市がランクインしており、工場完成に向けて更に上がることが予想されます。

新さっぽろエリアの開発に加え、エスコンフィールドの開発とラピダスの工場建設によって北広島と千歳エリアの地価が上がる(高く維持される)ことが予想されるので、両エリアにアクセスが容易な新さっぽろ駅や大谷地駅周辺エリアの土地価格も影響を受けて土地価格が上がる可能性があり、少なくとも高値を維持するのではないかと思われます。
他にも、菊水のブリヂストン跡地や太平ゴルフセンター跡地など開発が期待される土地もあり、開発の内容によっては今後の土地価格に影響を与える可能性があります。

・土地価格が下がりやすい地域がある
基本的に、駅が近くにあると何かと便利なため需要が高く(土地価格が高く)、反対に駅がなくバスを利用する地域では需要が低く(土地価格が低く)なります。

昨年からニュースになっていますが、札幌市内のバス路線の廃止や減便、運賃の改定が行われる予定となっています。主な理由として運転手不足が挙げられており、一般財団法人自動車検査登録情報協会が公開している昨年末のデータでは北海道の乗合車(路線バスなど)の台数は東京(15,416台)に次ぎ全国2位(12,689台)で、更に札幌運輸支局と四国地方はほとんど同じ台数(約6,000台)となっており、運転手不足による路線の廃止や減便は当然とも思えます。また、北海道は観光バスの需要も高くこちらも運転手不足の問題が起きており、価格転嫁しやすい観光バスでも運転手不足のため、路線バスでは今後より一層運転手の確保が難しいのではないかとも言われています。つまり、今後もバス路線の廃止や減便、運賃改定が起きる可能性が非常に高いということになります。

バス路線に関するネガティブなニュースが流れると、バスや車が主な交通手段の地域に対して「いずれバスがなくなるのでは」「不便な地域になりそう」とネガティブな印象を持つため需要がより一層低下する可能性があります。そのため、JRや地下鉄の駅が徒歩圏になく利便性の低い地域は価格が下がりやすいと考えられます。

 

様々な理由を上げましたが、今年の札幌は「土地が売れずに価格が下がりやすい状況」ですが「利便性の高い土地は価格が下がりにくく、利便性の低い土地で価格が下がりやすい」という感じです!

③土地価格はどのくらいになる?

はっきりと予想することは難しいので、傾向から少し予想してみます!

下記は2019年からの土地成約価格帯の推移です。大きな特徴として、「1000万円以下の土地売買が激減し、~2000万円・~3000万円の土地が増加している」点が挙げられます。

更にもう一つ、2019年から2024年3月までの平均物件数(新規・未成約)と平均成約価格をグラフにしてみました。

2020年から2022年にかけて土地価格が大きく上昇し、2023年は高値を維持しつつも、今年に入り価格が下がっています。1月~3月だけの数値ですが、1月1,640万円、2月1,674万円、3月1,867万円と2か月連続で1,700万円を下回ったのは2021年9月以来29か月振りであり、3月に上昇はしましたが2023年の平均成約価格を下回っていることから、ある程度下がり始めていることは間違いないと思われます。これらの情報や各種公表データを基に予想していきます。

◇~1,000万円の土地
1,000万円以下の土地は増えると思われます。
昨年まで1,000~1,100万円で販売していた物件が1,000万円以下で販売され始める可能性があること、1,000万円以下の価格で販売開始する土地も増えることが考えられます。但し、500万円以下の土地が大きく増えることは考えにくいと思われます。

◇1,001~2,000万円の土地
1,001~2,000万円の土地は増えると思われます。
一般土地の取引件数は2022年と比べて2023年は約1,000件減少していますが、1,001~2,000万円の土地の成約数は大きく増加しています。新規・在庫・成約物件の傾向から2,000~3,000万円の土地が2,000万円以下で販売されていることが読み取れるので、2,000万円以下でも2,000万円に近い価格帯の土地が当面は増えるのではないかと思われます。その影響により、昨年まで1,500~2,000万円で販売されていた土地は1段階(10%くらい)下がる可能性は十分あります。

◇2,001~5,000万円の土地
土地件数も価格も下がると思われます。
成約価格帯の推移をみると、5,000万円を超える土地は堅調に推移している一方、5,000万円以下の土地は少しずつですが下がっている傾向にあり、価格は下落していくと思われます。但し、元々立地や土地面積など好条件が揃っている土地も多いため、大きな下落が続くよりは緩やかな下がり方をすると思われます。

④土地の買い時

いつ買えば良かったのかは結果論ですので、お家を持ちたいと思ったときに買うことが一番良いタイミングだと思います。とは言え、より良い条件で購入したいと思いますので一般的にいつ価格が下がりやすいかお伝えします!

公益財団法人東日本不動産流通機構のデータをまとめてみました。この数年で土地価格が上昇しているため一部不規則な部分もありますが、一定の月に土地価格が下落している傾向が見られました。

それは、「1-2月、5月、8月、11月」です!

・1~2月
不動産業界では、中古戸建なども含め不動産売買が活発化する時期として2月後半から3月が挙げられます。引っ越しシーズンとも被るので売却・購入理由があり不動産がよく動くのだと思われます。不動産会社としては、この時期に向けて確実に売却して仲介手数料を得たいので1~2月の段階で売主に価格を下げて広告することを打診します。また、価格を下げて広告をしなくても交渉には柔軟に応じて貰えるように要請します。そのため、比較的土地価格が下がった状態で購入できる可能性が高まります。

・5月
売買が活発化する2~3月で売却できなかった土地が残るので、4月に価格改定を行い価格が下がるケースがあります。新生活も落ち着き、ゴールデンウィークのタイミングで住宅検討を開始する人も多く不動産売買がまた少し活発化します。そのタイミングに向けて1~2月と同様に値下げを打診します。

・8月
1~2月の理由と同様で、9~10月に不動産売買が活発化する傾向にあります。また、お盆休みなどもあり住宅検討を開始する人もいるため、不動産会社はこのタイミングで値下げ交渉を行うことがあります。

・11月
5月の理由と同様で、9~10月で売却できなかった土地が残るので、価格改定を行うケースがあります。また、この時期に売却できなければ雪が積もり土地売買は一気に鈍くなってしまうため、価格交渉などは柔軟に応じて貰えることも多くあります。

上記の月が比較的土地価格が下がりやすい傾向にありますが、お家の買い時とは異なります。

建物価格は未だに高止まりしており、

・運送業と建設業における残業時間の上限規制適用
・各種再開発やラピダス工場建設の本格化
・賃貸住宅の建築数増加
・住宅ローン金利の上昇

など、現在と比較して建築コストが増加する要素は多くあります。
そのため、土地価格が大きく下がることを待つ前に建てた方がお得な可能性は十分考えられますので、住宅を検討する方はなるべく早く動いた方が良いでしょう!

 

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