パントリーとは?失敗しない設計・種類・収納アイデアをわかりやすく解説
目次
パントリーとは
パントリーとは、食品や食器を保管するための小さなスペースや棚のことです。古フランス語のpaneterie(パンの貯蔵庫)が語源とされています。パントリーの種類は主に3つあり、壁に取り付ける「壁面収納型」、中に入ることのできる「ウォークイン型」、二方向から出入りできる「ウォークスルー型」があります。
パントリーの役割
パントリーの役割は、食品や飲料、食器や調理器具を保管することです。最近では、非常食など防災グッズの保管場所として利用することもあります。また、パントリーを設けることで物が多いキッチン周りをスッキリさせ、作業スペースを広く使うこともできるようになります。
食品庫との違い
パントリーと食品庫との違いは、特にありません。一方で、パントリーは調理器具や防災グッズなどの保管場所としても利用しますが、食品庫は基本的に食品の保存場所として利用するイメージを持つ人が多いです。基本的にはキッチン周りの収納するスペースをパントリー、食品専用の保管場所を食品庫と呼ぶのが良いでしょう。
注文住宅やマンションでの取り入れ方
注文住宅でパントリーを取り入れる場合、1~2畳程の出入り可能なパントリーを設けるなど広さも場所も自由にできます。一方マンションや建売住宅の場合、スペースや設置可能な場所は限られているため、棚型(収納型)のパントリーを設けることが多くなります。
パントリーの種類と設置方法
パントリーの種類
パントリーの形状には大きく分けて「ウォークイン型」「ウォークスルー型」「壁面収納型」の3種類があります。ウォークイン型とウォークスルー型は、1〜3畳ほどの独立した小部屋のような構造で、人が中に入って物を取り出せます。壁面収納型は、壁に棚を設けて、調味料・乾物・缶詰などを取り出しやすくし、日常使いに向いています。
種類別メリット・デメリット
ウォークイン型
ウォークイン型のメリットは、収納量が多いことです。奥行が必要な物、高さが必要な物など様々な物が収納できます。一方デメリットは、人が入るスペースがデッドスペースになるため、取り付ける収納棚の位置や形状には注意が必要です。
ウォークスルー型
ウォークスルー型のメリットは、多方面から出入りできる機能性です。玄関とキッチンの間に設けることで、買い物した食べ物などを冷蔵庫やパントリーに収納しやすくなります。デメリットは、ウォークイン型よりもデッドスペースができることも多いため、棚の配置や数、ウォークスペースの広さには注意が必要です。
壁面収納型
壁面収納型のメリットは、使いやすさと低コストであることです。壁面に棚を取り付けるため物を取り出しやすく、小さなスペースでも作ることができます。デメリットは、奥行きに限界があり、ウォークイン型と比べて収納量が少ないことです。
設置場所のおすすめ例
パントリー設置場所のおすすめは、キッチンと玄関付近です。キッチンやキッチン横などに設けると、比較的日常で使用する物を取り出しやすく、収納や管理も便利になります。また、玄関からすぐパントリーに入ることができれば、重たい荷物を持たず、遠回りもせずに買ったものをすぐ収納することができます。
パントリーの広さは?
パントリーの広さは、1~3畳が多いです。1畳はコンパクトなタイプですが、壁面収納にすることで無駄なく収納できます。2畳では、収納力も上がり家電を置くこともできるようになります。3畳は大型家電を置くことができ、収納力も多く、一般家庭で困ることはないでしょう。
扉付きとオープン収納、どちらが使いやすい?
扉付きとオープン収納では、使いやすいのはオープン収納です。オープン収納は、扉を開ける作業がないため楽に物を出し入れできます。一方で扉付きタイプは、扉を開ける必要はありますが、生活感を隠せるため整理が苦手な人にとっても気にせず使えます。使いやすさはオープン収納、気軽さは扉付きタイプになります。
パントリーのメリット・デメリット
パントリーのメリットは、収納量の向上と生活動線の整理です。デメリットは、コストの上昇と物が増えることです。パントリーがあることで食料品などの保管量が増え、収納に困ることは少なくなります。一方で、食品の劣化や虫の発生原因にもなり、一定のスペースが必要なため建築コストが上がります。
パントリーを設けるメリット
パントリーを設けるメリットは、収納量の向上と生活動線の整理です。パントリーがあることで食品や調理器具の保管量が増え、まとめ買いができるため経済的で、様々な料理を楽しむことができます。また、キッチン周辺にパントリーがあると、動線が整理され効率的な家事に繋がります。
パントリーを設けるデメリット
パントリーを設けるデメリットは、コストの上昇と物が増えることです。パントリーを設ける場合、その広さや種類に応じて建築コストが上昇します。また、パントリーがあることで収納量は増えるものの、整理が出来ないと物で埋もれ、食品の劣化や虫の発生、カビなどの原因になります。
成功するパントリー設計のコツ
成功するパントリー設計のコツは、広さ・棚・空調の4つです。パントリーの広さが不十分であれば収納量が足りず、棚の形状や奥行によって置きたい物が置けなくなります。また、パントリーの場所次第では使い勝手が悪くなり、冷暖房や換気など空調管理が上手くできなければ結露やカビの発生原因となります。
広さ:広ければ収納量が増えますが、持て余すことにも繋がります。カップボードの収納量と現在の暮らしで足りていないと思える収納量を考慮した広さを考える必要があります。また、冷凍庫など家電を入れる場合、そのサイズにも気を配る必要があります。
棚:棚の形状や奥行なども重要になります。棚の形状によってデッドスペースが増えてしまう、もしくは物が取り出しにくいなど使いずらくなってしまいます。また、奥行や耐荷重にも気を配り、置きたい物が置けて、出し入れしやすい設計にすることがポイントです。
空調:パントリーは食料品の保管場所であるため、直射日光と高温多湿を避ける必要があります。壁面収納型であれば良いですが、広めのスペースの場合は空調にも気を遣う必要があります。特に、パントリーの入口に扉があり、さらに棚に扉をつける場合はパントリーが適切に空調されていることを前提に設計する必要があります。
パントリーの活用アイデアと収納例
パントリーの活用アイディアとして、可動棚とボックスの活用が挙げられます。可動式の棚を使うことで無駄なスペースをなくしつつ、ボックスで取り出しやすくまとまりある収納に見せます。また、ニオイや虫対策として食材をビンに移し替えるなど工夫することもポイントです。
食品以外の収納にも便利!防災グッズ・消耗品
パントリーは、食品を保管するだけでなく、防災グッズやラップなどの消耗品の保管場所としても最適です。また、買い物袋や紙袋などもキレイに収納することができます。毎日使うものではないけど使うことがるようなものを保管しておくスペースとして、パントリーは最適です。
可動棚・ボックスを使った整理整頓テクニック
稼働棚や収納ボックスを組み合わせることで、無駄なく収納し、使いやすくすることができます。例えば、キッチン家電や高さのことなる調味料などは可動棚で高さを合わせることでムダをなくします。また、使用頻度の低いものはボックスにいれて上段に置き、取りやすくすることで落下の危険防止に繋げます。
基本的に使用頻度の高いものや重たいものは下段に、使用頻度が低いものや軽いものは上段に置くと良いです。但し、食料品を上段に置きすぎると存在を忘れ、腐らせてしまうこともあるため、透明のボックスやラベルを貼るなど常に中身が見えるようにしておくことが大切です。
臭いと虫の対策
様々な食料品を保管するため、それらのニオイがきつく感じることがあります。また、食料品が適切に保管されていなければ虫が発生することもあります。そこで、食材はビンなど密閉できるものに移し替え、調味料は通気タイプのボックスにまとめるなど、ボックスやビンを上手く組み合わせて収納することがポイントです。
パントリーを作る際の注意点と設計ポイント
パントリーを作る際の注意点は、動線と空調対策です。パントリーは玄関とキッチンから近い位置にあると買い物したものを運び、保管することが楽になります。また、扉を折れ戸や引き戸にするとスペースを取らず出し入れがしやすくなります。さらに、高湿高温を避けるための換気や湿気対策、結露防止の空調管理が重要です。
動線計画を最優先に考える
パントリーは、キッチンや冷蔵庫との距離が近いほど使いやすくなります。理想的なのは、買い物から帰宅し、食材をパントリーや冷蔵庫に収納、調理に使うという一連の流れがスムーズにできる動線です。玄関からキッチンへの動線上に配置する「通り抜け型」も人気です。
換気と湿気対策を忘れない
パントリーは密閉されやすいため、空気がこもるとカビや臭いの原因になります。換気扇や通気口の設置、24時間換気の連動など、計画段階でしっかり対策しておきましょう。また、室内温度との差による結露も生じやすく高温になりやすいため、温度管理にも注意が必要です。
照明とコンセント位置を工夫する
照明が暗いと奥の物が見えづらく、整理整頓が難しくなります。人感センサー付き照明を設置すれば、扉を開けた瞬間に自動で点灯し便利です。また、パントリー内にコンセントを設けておくと、冷凍庫など家電を設置することも可能になります。
出入りのしやすさを意識する
開き戸よりも引き戸や折れ戸にすることで、通路を確保しやすくなります。特にキッチンの奥や横など、通路に面していない中で開き戸を採用すると出入りが大変になるため、なるべく引き戸や折れ戸、もしくは扉を使わずロールスクリーンなどで対応することを検討しても良いでしょう。
パントリーのコストを抑えるコツ
パントリーのコストを抑えるコツは、スペースを抑えて既製品を活用することです。パントリーを広くするとその分建築費が掛かるため、広さを抑えることが最も効果的です。また、収納扉と棚を設置せず、既製品を使用することもコストを抑えるポイントになります。
スペースを抑える
パントリーのスペースを抑えることがコストを抑える一番シンプルな方法です。例えば、ウォークイン型と壁面収納型で収納量が変わらないのであれば、壁面収納型にすることでデッドスペースをなくすことができます。通路や人の出入りスペースを抑えることで効率的なパントリーを設置することができます。
見せる収納にする
収納扉をなくし、あえて見せる収納にすることも一つの手段です。収納扉1枚でも数万円になるため、扉を無くすこともコストを抑える手段になります。また、扉がないため物の出し入れがしやすくなり、家事効率が上がることにも期待できます。
既製品を活用
パントリーの棚や収納部分は既製品を使用することでコストが抑えられる場合があります。建築会社に棚の設置や装飾を依頼するよりも、家具・インテリア店などで購入した商品を活用することもコストを抑えるためのポイントです。
よくある質問
パントリーを日本語で言うと何ですか?
パントリー(pantry)を日本語で言うと、食品庫です。キッチンに隣接したスペースに設けられることが多く、現在では食品だけではなく、食器や調理器具、防災グッズの保管場所としても使用されています。また、パントリーは独立した部屋だけではなく、棚などの壁面収納も含めます。
パントリーとキッチン収納の違いは何ですか?
パントリーとキッチン収納の違いは、主な収納物と使用頻度です。キッチン収納は、主に食器や調理器具を入れ、調味料など使用頻度の高いものを収納します。一方パントリーは、主に食料品を保管し、ホットプレートなど使用頻度の低いものを収納します。
パントリーとはどういう間取りですか?
パントリーの間取りは、キッチンに隣接した1~3畳の小部屋、または壁面収納です。キッチンの横や背面などに設けられることが多く、人が出入りできるウォークイン型、通り抜けが可能なウォークスルー型、壁に収納棚を設ける壁面収納型があります。
パントリーには何を置くの?
パントリーには、主に食料品を置きます。また、使用頻度の低いホットプレートなどの調理家電、ラップなどの日用品、防災グッズなど収納量にあわせて収納できます。基本的には物の保管として使用するため、使用頻度の高いものはキッチン収納に置くと便利です。
パントリーの広さはどのくらいが理想?
パントリーの理想的な広さは、小型家電を置く場合は2~3畳、置かない場合は1~2畳です。最近では冷蔵庫の他に小型冷凍庫を設置する家庭もあり、そのような小型家電を置く場合は2~3畳ほど必要です。置かない場合は、ウォークイン型で1~2畳、壁面収納型では1畳でも十分な広さと言えます。
パントリーは必要ないと言われるのはなぜ?
パントリーは必要ないと言われる理由は、スペースを取りコストが掛かるからです。基本的にパントリーはあって困ることはなく、現在は便利な調理家電に加え、防災対策のために水や非常食など保管する家庭が増えています。そのため、収納量が増えるパントリーは必要です。