注文住宅の費用を賢く削減する方法とは？
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注文住宅の費用を賢く削減する方法とは？
注文住宅の費用を賢く削減する方法とは、家づくりの優先順位と予算配分を明確にすることです。理想とするお家や暮らし方を具体的にイメージし、優先順位を付けた上で必要な予算配分をします。その上で、更にコスト削減に向けて間取りの工夫や設備グレードの見直し、安価で出来る方法などを模索していくことで賢く削減できます。
注文住宅とは
注文住宅とは、施主が自由に設計・仕様・設備を選び建築する住宅のことです。間取りやデザインなどを自分のライフスタイルや好みに合わせて決めることができるため、「世界に一つだけの家」を実現できるのが最大の魅力です。自由度が高い一方で、設計や仕様を選ぶ過程でコストがかさむ可能性もあるため、予算とのバランスが重要になります。
建売住宅との違い
建売住宅は、すでに土地と建物がセットで用意されており、間取りや外観、内装なども決まっている状態で販売される住宅です。建築前や建築中であれば、内装や設備の変更ができる場合もあります。一方、注文住宅は、土地探しからスタートし、間取りや外観、住宅設備などを施主が一から設計して建てる住宅です。
建売住宅は標準化された仕様のためコストが抑えられ、すぐに入居できるというメリットがありますが、個々のニーズには対応しにくいというデメリットもあります。注文住宅はその逆で、自由度が高く細部までこだわることができる反面、建築コストが高くなりやすく、工期も長くなります。
つまり、「自由とコスト」はある程度トレードオフの関係にあることを理解しておく必要があります。
自由度と費用の関係
一般的に、自由度が増すと費用も高額になる傾向にあります。例えば、シンプルな間取りとシンプルな内装仕上げのお家と、複雑な間取りで内部装飾にもこだわるお家では、後者の方が使用する建材、施工の手間や工期に影響が出やすいため、最終的な工事費にも差が生まれます。
そのため、住宅会社がプランや仕様の基本（規格）を決めた上で、施主の好みに応じて変更・追加が可能な規格住宅も人気になっています。
規格住宅とは？
規格住宅とは、住宅会社が事前に用意した間取りや仕様などの規格を基本に建てる住宅です。規格化することで建築コストを抑えつつ、変更や追加など一定の自由度があります。本来では注文住宅と建売住宅の間の位置付けですが、実際には注文住宅＝規格住宅となっている場合が多くあります。
注文住宅の費用を削減する基本とは？
注文住宅の費用を削減する基本とは、家づくりの優先順位と予算配分を明確にすることです。家づくりをする上で、優先順位が高い条件を変更してまで予算を削ることは困難なため、優先順位に合わせた予算配分をしなければ費用削減はできません。そのため、家づくりの優先順位と予算配分の明確化は費用削減の基本となります。
家づくりの優先順位を明確にする
予算に限りがある中で満足度の高い家を建てるためには、優先順位を明確にすることが欠かせません。断熱性や家事動線など建物に関わることから、立地や周辺環境など土地に関わることも含めて優先順位を決定していきます。
例えば、キッチンのグレードよりも断熱性能を優先する家庭もあれば、駅徒歩10分以内など建物よりも土地が最重要という場合もあります。すべてを叶えようとすると予算は膨らむ一方なので、初期段階で家族全員の要望を出し合い、「譲れない条件」と「妥協できる条件」をリストアップすると、結果としてムダな出費を抑えることができます。
予算配分を明確にする
注文住宅の費用を削減するためには、予算配分を明確にすることが重要です。注文住宅を建築するためには建物本体工事費のほか、付帯工事費・外構費・諸費用・土地購入費を考えておく必要があります。予算配分を間違えてしまうと、費用を削減したくてもできなくなってしまうことがあります。
付帯工事費
付帯工事費とは、建物本体工事以外にかかる費用です。付帯工事には、電気や水道などの引き込み工事や地盤改良費などが該当します。外構費用も付帯工事費に含まれることも多いですが、予算配分する上では外構費は別で考えた方がわかりやすくなります。
外構費
外構費は、家の外回りに関連する費用です。カーポートや舗装、塀や植栽などが該当します。外構費も住宅と同様に、こだわるほど予算が大きくなるため、最低限必要な外構工事の費用を配分しておくなど工夫が必要です。
諸費用
諸費用は、建物の建築、土地の取得、住宅ローンの融資に必要な費用です。融資手数料や各種税金、登記費用や火災保険料などが該当します。これは、住宅ローンやつなぎ融資の有無、利用する金融機関や住宅の性能など様々な要素によって異なりますが、150～300万円ほどかかります。
土地購入費用
土地購入費用は、土地を購入するのに必要な費用です。土地代金や売買の仲介手数料などが該当します。土地価格は、希望するエリアや面積によって相場があるため、予算配分しやすい項目ですが、土地によって古家の解体や樹木の撤去費用など掛かる場合があるため注意が必要です。
予算配分が上手くいかない場合
予算配分が上手くいかない場合、優先順位と予算を見直す必要があります。優先順位を見直すことで多くの場合は予算配分が上手くいきますが、それでも上手くいかない場合は予算が希望条件と合っていない場合があります。その場合は、FP（ファイナンシャルプラン）などで家計の見直しも含め資金計画を立ててみましょう。
間取りの工夫でコストダウンを実現
注文住宅の費用を削減する上で、間取りの工夫は非常に効果的です。建物の形や部屋の配置によって、構造材や基礎、屋根の面積が変わり、結果として工事費に大きな差が生まれます。基本的に総二階建てがコストダウンしやすく、平屋や1階の面積比率が大きい建物ではコストが上がっていきます。
総二階がコストパフォーマンスに優れる
注文住宅の構造としてもっともコスト効率が高いとされるのが「総二階」です。1階と2階の面積がほぼ同じで、基礎や屋根などの面積が最小限で済みます。また、凹凸が少ないシンプルな箱型の家は、複雑な形状に比べて施工も長期化しません。そのため、シンプルな総二階では使用する建材が少なく、工期も短縮され、コストダウンにつながります。
廊下を最小限にして空間効率を上げる
廊下を最小限にすることで建物面積を抑えることが可能になる一方で、広い空間に感じることもできます。最近では、玄関からリビングまでの廊下を省略、リビングから各スペースに直接アクセスするなど工夫された間取りが多くあります。但し、音やニオイが広がりやすいなどデメリットもあるため間取り作製には注意が必要です。
平屋は割高？
「老後を見据えて平屋にしたい」という方は多いですが、実は平屋は建築コストが高くなりやすい傾向があります。理由は、同じ床面積でも2階建てに比べて基礎と屋根の面積が倍になるためです。また、十分な広さの平屋を建築するには相応の土地面積も必要になるため、総じてコストが上がりやすくなります。
設備グレードを見直してコストを調整
注文住宅では、キッチンやバス、洗面化粧台など住宅設備の選択肢が多く、グレードを上げればそれだけ費用がかさみます。また、機能だけではなく色柄でも価格が変動する商品が多くあります。一方で、選び方次第では必要十分な機能を確保しつつコストを削減できるポイントでもあります。
標準仕様の活用でコスパ重視の家づくり
多くの住宅会社では、あらかじめ選ばれた標準仕様が用意されています。商品コンセプトやコスト面などを考慮して標準仕様としています。標準仕様をベースに選ぶことで、オプション費用を抑えることができます。また、オプションやグレードアップをする場合でも同メーカー商品の方がお得な場合もあります。
高機能設備は本当に必要？費用対効果を考える
タッチレス水栓、浴室テレビ、自動掃除トイレ、食洗機の上位モデルなど、高機能な設備は魅力的に映りますが、その分費用も跳ね上がります。各メーカーが出している設備はいずれも基本的性能は優れているため、日常生活の充実度とコスト（費用対効果）を考えて選ぶことで、無駄な機能を省くことができます。
また、設備をグレードアップすると希望していたオプション機能が標準で付いている場合があります。標準設備にオプションを付けるのと、設備をグレードアップする場合で価格がほとんど変わらないこともあるため、ショールームや担当者に聞いてみるのも良いです。
省エネ設備の見直しは要注意
コストカットを考える際に、冷暖房設備や給湯設備などの省エネ性や快適性に関わる部分を削るのは要注意です。これらの設備は、日々過ごす上での快適性を向上させるとともに、光熱費に影響を与えるため、見直す場合はグレードダウンではなく、性能が向上する設備を選択しましょう。
外構・照明・カーテンで節約
注文住宅の費用は、建物本体だけでなく外構・照明・カーテンといった費用も大きく左右されます。これらは住宅会社に一括発注することが多いですが、自分たちで手配する「施主支給」という方法を使えば、同じクオリティのものを安く取り入れられることがあります。
外構工事
外構工事は、コスト削減しやすい項目の一つです。専門業者に依頼しないと難しい舗装やカーポートの設置などは難しいですが、植栽や簡易的な塀など自分でも出来る範囲も広いのが外構工事です。また、予算を確保しておき、住宅会社ではなく別の業者にも見積もりを取ることでコスト削減できる場合もあります。
照明とカーテン
照明とカーテンもコスト削減しやすい項目です。個人では設置が難しいダウンライトなどは設置してもらった方が良いですが、シーリングライトなど自分で購入して付けるとコスト削減に繋がります。また、カーテンも同様で、来客者の目に見えない箇所で特殊なサイズでなければ、自分で購入して付けることも考えると良いでしょう。
施主支給の注意点とトラブルを防ぐコツ
照明やカーテンなど施主支給できる場合がありますが、注意点もあります。取り付けを業者にお願いする場合、取り付け日までに確実に商品が届いている必要があります。また、型番など事前に通知していた内容と異なると設置できないこともあります。
また、保証の問題も重要です。住宅会社経由で購入すれば施工込みの保証が付きますが、施主支給品は保証対象外になることが多く、初期不良や不具合が出た際の対応が煩雑になる可能性もあります。そのため、施主支給を受け付けない会社もあるため、事前に確認しておきましょう。
標準仕様から会社を選ぶ
注文住宅の費用削減のためには、会社選びも重要です。希望する住宅性能や設備が標準仕様であるのと、オプションなどで変更する場合では後者の方がコストが高くなりがちです。また、規格住宅か完全な注文住宅であるかなど会社選びも重要な要素となります。
住宅性能
住宅性能は、住宅会社や商品コンセプトによって異なり、性能を確保するための家づくりの方法も異なります。そのため、住宅性能の変更はコストが高くなりやすいと言えます。希望する住宅性能がある場合、あらかじめ標準仕様で提供されている住宅会社を選ぶ方がコスト面で優れている場合が多く、慣れている分より安心して依頼できます。
設備と建材
住宅設備や建材は、主にメーカー製品と自社製品の2つに分かれます。自社製品を標準としている場合、メーカー製品に変更する場合は基本的に費用は高くなり、メーカー製品を標準としているところで同製品を使うよりも大幅に金額が上がってしまう可能性があります。
大量仕入れで安くなる？
大量仕入れで安くなるという話がありますが、注文住宅の場合はあてはまらないことがほとんどです。建築戸数の多いハウスメーカーなどは高性能な建材や設備を扱うことが多く、建築費用は高くなる傾向にあります。また、建築戸数が多い住宅会社は複数の住宅商品やコンセプトを持っており、全ての商品で共通して使用する建材や設備は限られています。
さらに、安く仕入れられるものとそうでないものがあります。安く仕入れられたものは利益率を高くし、反対に仕入れが高いものは利益率を低くするなどして、最終的な建築価格や利益率を調整していきます。そのため、大量仕入れによって数百万円安くできるということはなく、使用する建材や設備がそもそも安いということです。
完全注文住宅
完全な注文住宅の場合、建材や設備など仕様の制限が規格住宅と比べて緩いため、希望する建材や設備をある程度自由に選んでも建築費が安くなるケースもあります。また、決まった建材や設備以外で施工することに慣れており、仮に仕入れが他より多少高くても施工費などが抑えられることが多くあります。
さらに、規格住宅では不要なオプションを外しても大幅なコストダウンに繋げることは難しいですが、完全注文住宅の場合は必要なものにお金をかけ、必要のないものを削るなどコストバランスを取りやすいこともメリットとして挙げられます。
不要なオプションを見極めるポイント
不要なオプションを見極めるポイントは、利用場所・利用時期・必要性の有無の3つです。高性能や高性能な品質のものを、どこでいつ使うか、そしてそれらは必要かを判断します。高品質なものはメインスペースに使用、子供が大きくなったら子供部屋にエアコンを付けるなど新築時に必要か否かを判断することでコスト削減に繋がります。
デザインと機能性
オプションを検討する場合、多くはデザインか機能性に魅力を感じていることがほとんどです。良いデザインと優れた機能性はあった方が良いですが、コスト削減を目指すのであれば「必要なもの」と「なくても困らないもの」で区別した上で判断してくことが重要です。
スペースで使い分ける
リビングや脱衣所、2階居室など全てで高性能・高品質なものを使わずに、来客がある場所やメインで使用するスペースに限定して使用する方法があります。例えば、リビングの床に無垢材とハイドアを使用し、2階リビングはシート材と通常のドアを使用するなど、全て良いもので統一する必要があるかないかを見極めることも大切です。
今必要かを判断
新築時に必要なものか、後から必要になるものかで判断することもポイントです。例えば、新築時に子供部屋も含め全室にエアコンを設置するよりも、実際に子供が成長し部屋を使うようになった時に付ける方が、無駄に寿命を削らず総費用を抑えることができます。後から簡単に付けられるものや今必要のないものを考えることで削減に繋がります。
削って後悔・成功したポイント
注文住宅の費用を削る際、何を削り、何を残すかの判断がとても重要です。無駄を省いて節約できたという成功例がある一方で、削るべきではなかったと後悔するケースも少なくありません。特に、不便さや不快感に繋がるものは残しておく必要があります。
後悔の声が多い「削って失敗」の特徴
削って失敗したと思う理由とは、不便さや不快と感じることです。例えば、コンセントの数、収納、窓の数や大きさなどが挙げられます。コンセントが少ないと延長コードだらけになったり、置きたい場所に家電が置けないことがあり、収納が少ないと物が目に見える位置に置かれるなど生活感が丸出しになります。また、窓を少なくしたり小さくすると、十分な日射を得られないなど後悔することがあります。
満足の声が多い「削って成功」の特徴
削って成功したと思う理由とは、実用性とコストパフォーマンスの高さを感じることです。例えば、造作物を無くし家具店の既製品を組み合わせる、外構工事を一部DIYするなどです。代替品が見つかりやすいものや自分で設置ができるものは、実用性が変わらずコストが削減できれば満足度は高くなります。
プロが考える「絶対に削ってはいけないもの」
プロが考える絶対に削ってはいけないものとは、後付けが出来ないものと必ず必要になるものです。例えば、電気配線やコンセントなどは簡単に後付け出来そうで、構造の関係などで付けられない、もしくは高額な費用が掛かってしまうことがあります。また、給排水の敷地への引き込み管が古い場合、高い確率で近い将来交換する必要があり、新築時に比べて工事費用は高くなったりします。
さらに、高品質な外壁材を使用すると、本来10～15年でメンテナンスが必要なところ、25～30年メンテナンス不要になるなど、後々のメンテナンス費用を考慮した上で先に費用を掛けることも、トータルコスト面でお得になる場合もあります。
このように、削るべきポイント、削ってはいけないポイントなどを考慮することで注文住宅の費用を賢く削減できるようになります。
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