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全館空調とエアコンの違い|導入メリット・デメリットと費用比較

全館空調とエアコンの違い|導入メリット・デメリットと費用比較

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全館空調

全館空調とエアコンの違いや導入メリット・デメリット、費用について詳しく解説。全館空調システムの選び方や具体的な導入事例も紹介します。

目次

1.全館空調とは
2.全館空調とエアコンの違い
3.全館空調の導入費用とランニングコスト
4.具体的な導入事例
5.全館空調システムの選び方と注意点
6.全館空調が注目を集めている理由
7.よくある質問

1.全館空調とは

全館空調とは、住宅全体を一括して空調管理するシステムのことです。従来のエアコンが個別の部屋ごとに設置されるのに対し、全館空調は家全体を均一な温度で快適に保つことができます。特に近年では、省エネ性能や快適性が求められる注文住宅において、全館空調の導入が増えています。

全館空調の基本的な仕組み

全館空調システムは、空調室や屋根裏、床下に設置された空調機器からダクトを通じて各部屋に冷暖気を供給します。これにより、家全体の温度が均一に保たれ温度差による不快感が軽減されため。季節を問わず快適な住環境を実現します。空調機器は、仕組みによって1つもしくは複数使用されます。

全館空調の主な機能と特徴

全館空調の主な機能としては、冷暖房と空気清浄などが挙げられます。これにより、季節を問わず室内環境が最適に保たれるほか、キレイな空気の中で過ごすことが可能になります。さらに、温度管理が一元化されることで、エネルギー効率が向上し、結果的に電気代の削減にもつながります。

全館空調システムのメリット

全館空調システムの最大のメリットは、家全体を均一な温度に保つことができる点です。これにより、各部屋ごとに温度差がなくなり、一年中快適な室内環境を実現できます。また、全館空調システムは一元管理されているため、エネルギー効率が高く、ランニングコストの削減にもつながります。

全館空調システムのデメリット

一方で、全館空調システムにはいくつかのデメリットも存在します。まず、導入時の初期費用が高く、設置工事も大規模になります。これは特に新築時には大きな負担となることがあります。また、部屋ごとの温度設定が難しいため、個別のニーズに応じた調整がしにくい点もデメリットです。

2.全館空調とエアコンの違い

全館空調とエアコンは、どちらも室内の温度管理を行うためのシステムですが、その仕組みや利便性には大きな違いがあります。ここでは、全館空調のメリットとデメリット、エアコンとの違いについて詳しく解説します。

省エネで快適

全館空調の最大の特徴は、家全体を均一な温度で保つことができる点です。エアコンとは違い、部屋ごとの温度差がなくなり、どの部屋にいても快適に過ごせます。また、中央制御によって一括管理が可能なため、操作が簡単で効率的です。さらに、全館空調はエアコンを複数設置するよりもエネルギー効率が高く、長期的には電気代の節約にもつながります。

費用が高い

一方、全館空調にはデメリットも存在します。初期費用が高く、設置工事も大規模になるため、導入時の負担が大きい点が挙げられます。またエアコンとは違い、部屋ごとに温度設定を変えることが難しいため、個々の好みに応じた細かい調整ができません。エアコンに比べてメンテナンスも専門的な知識が必要となる場合があり、その点でも注意が必要です。

3.全館空調の導入費用とランニングコスト

全館空調システムの導入には、初期費用やランニングコストがかかります。これらのコストを理解することで、導入の判断材料とすることができます。ここでは、設置費用の目安や月々の電気代、メンテナンス費用について詳しく解説します。

設置費用の目安

全館空調システムの設置費用は、住宅の規模や仕様、選ぶシステムの種類によって異なります。システム本体の価格と設置工事費用を含めて、150~300万円が掛かることが多く、空調機器が汎用エアコンではなく専用機器の場合は高くなる傾向にあります。また、既存住宅への後付けの場合、配管工事や断熱工事などが追加で必要になるため、さらに費用がかかることがあります。

維持・メンテナンス費用

全館空調システムの維持・メンテナンス費用は、定期メンテナンスと機器修理・交換費用にわけられます。定期点検やフィルター交換が必要なシステムの場合、年間1~3万円の点検費用に加えてフィルター交換費用が掛かります。空調機器を交換する場合、40~100万円掛かることが多く、専用機器もしくは複数台機器がある場合は高くなる傾向にあります。

月々の電気代

全館空調システムはエネルギー効率が高いため、月々の電気代は比較的抑えられることが期待できます。一般的には、家全体を個別のエアコンで管理するよりもコストパフォーマンスが良いとされています。ただし、使用状況や地域、住宅の断熱性能によって変動するため、具体的な費用は個々のケースによります。そのため、実際に導入している人の評価や公開されている実績を確認してみましょう。

4.具体的な導入事例

全館空調システムの導入事例をみてみると、その効果や利便性について理解を深めることができます。ネット上で公開されている実際に全館空調を導入した家庭の事例を取り上げ、導入前後の変化や体験談をご紹介します。

実際の導入事例1: 家全体の温度管理

Aさんの家庭では、全館空調システムを導入したことで、家全体の温度管理が格段に改善されました。以前は、各部屋ごとにエアコンを使っていたため、部屋ごとの温度差が大きく、特に夏場や冬場には不快感がありました。全館空調導入後は、家全体が均一な温度に保たれ、どの部屋にいても快適に過ごせるようになりました。また、室内の乾燥や結露も抑えられ、健康面でも大きな改善が見られました。

実際の導入事例2: ランニングコストの変化

Bさんの家庭では、全館空調システムの導入によってランニングコストの削減が実現しました。以前は冬に床暖房、夏にエアコンを稼働しており、特に冬場の電気代が高額になっていました。しかし、全館空調システムに切り替えたことで、エネルギー効率が向上し、月々の電気代が大きく削減されました。さらに、システムの一元管理により、操作が簡単になり、無駄な電力消費も減少しました。

実際の導入事例3: 住み心地の向上

Cさんの家庭では、全館空調システムの導入により、住み心地が大幅に向上しました。特に子供部屋や寝室の温度管理が容易になり、家族全員が快適に過ごせる環境が整いました。また、空気清浄機能により、アレルギーや喘息の症状が軽減されるなど、健康面での効果も実感しています。全館空調システム導入後は、家族全員がより快適で健康的な生活を送ることができるようになりました。

5.全館空調システムの選び方と注意点

全館空調システムを導入する際には、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが重要です。また、導入前に知っておくべき注意点もいくつかあります。ここでは、全館空調システムの選び方と注意点について詳しく解説します。

ダクト設計の方法

全館空調システムは、一般的にダクトなどの空気の通り道を経由して冷暖気が運ばれ、壁や天井などの通気口から冷暖気が出てきます。そのダクトや通気口の設計が、戸別設計(1棟毎に構造や間取りなどを考慮して設計する方法)かどうかは重要です。戸別設計ではなく、リビングは5カ所、居室は2カ所ずつなど一定の基準に従いダクトや通気口を設置する方法では、エネルギー効率が最大化されず電気代が高くなってしまう可能性があります。また、最悪の場合は十分に冷暖房されないことも考えられます。

ランニングコスト

全館空調システムは、電気代の他に維持・メンテナンス費用が掛かります。業者による点検やフィルター交換を前提としている、エアコンなどの汎用設備ではなく専用の空調設備を使用する、または複数の設備を設置する場合は維持・メンテナンス費用が高額になります。また、規定の点検やフィルター交換、設備の入れ替えを行わない場合は保証の対象外となることもあります。

住宅性能

全館空調システムを導入する場合に、住宅性能に関して制限がないシステムには注意しましょう。一般的に、一定以上の断熱性や気密性を有する住宅性能であることを全館空調システムの設置条件として設けています。住宅性能に関する条件がない場合、エネルギー効率は悪くなることもあり電気代が高くなります。また、最悪の場合は全館空調が十分に機能しないこともあります。

6.全館空調が注目を集めている理由

全館空調が注目を集めている理由は「省エネで光熱費が抑えられ、エネルギー転換に対応している」ことが挙げられます。世界的に脱炭素社会に向けた取り組みを行っており、現在使用しているガスや灯油を別のエネルギーに転換する動きがあります。そのため、近い将来に家庭で使うガスや灯油の使用料は高くなると予想されており、電気を使用して光熱費を抑えられる全館空調に注目が集まっています。

補足

2015年のパリ協定で温室効果ガス削減に向けた取り組みが示され、気候変動枠組条約に加盟する 196カ国全ての国が削減目標・行動をもって参加することに合意しました。これにより、日本を含め多くの国でカーボンニュートラルの実現に向けて動いています。

その中で、石油やガスなどの化石燃料の使用時に発生する温室効果ガスを減らすための方法として「カーボンプライシング」が話題を集めています。この仕組みは、CO2排出量に応じて課税する炭素税(地球温暖化対策税)や排出量取引(企業などに対して温室効果ガスの排出量の上限枠を定め、過不足分を取引できる制度)が主な内容で、石油やガスなどの化石燃料を使用するとこれまで以上に企業・個人の費用負担が大きくなることを意味します。

また、電気は自然エネルギー(太陽光など)による発電を増やす方針となっており、国も新たな技術開発と普及を後押しています。一方で、都市ガス、プロパンガス、石油もエネルギー転換などを進めていますが、安価で大量の電力が必要であることや生産量や供給網が確立されていないこと、何より生産・輸送コストが高いことが大きな問題となっています。そのため、一般家庭で使用するガスや灯油の使用料は増加する見込みで、現在と同じくらいの料金で使用できる目処は立っておらず、一方でエネルギー転換が上手くいった場合でも電気料金の方が安くなると考えられています。

7.よくある質問

全館空調システムに関して、多くの方が抱く疑問や不安について、ここで詳しく解説します。よくある質問に対する回答を参考にして、全館空調システムについての理解を深めてください。

全館空調とエアコンのどちらがよいですか?

全館空調とエアコンにはそれぞれメリットとデメリットがあります。全館空調は家全体を均一な温度に保ち、快適な環境を提供しますが、初期費用が高額である点がデメリットです。一方、エアコンは導入費用が比較的安価で、部屋ごとに温度調整ができる柔軟性がありますが、温度ムラが生じやすく、エネルギー効率が劣る場合があります。家全体の快適性を重視するか、コストや柔軟性を優先するかで選択が変わってきます。

エアコン一台で全館空調のデメリットは?

エアコン一台で全館空調をまかなう場合、部屋ごとに温度ムラが生じやすくなります。また、エアコン一台では大きな家全体を効率よく冷暖房することが難しく、エネルギー消費が増える可能性もあります。さらに、エアコン一台で複数の部屋をカバーする場合、風量や冷暖房能力が不足し、快適性が低下することが考えられます。

全館空調は電気代が高くなる?

全館空調は初期費用が高い反面、エネルギー効率が高いため、長期的には電気代を抑えることができます。インバーター技術やヒートポンプ技術を採用しているため、必要なときに必要なだけのエネルギーを使用し、無駄な消費を抑えることができます。しかし、システムの使用状況や住宅の断熱性能によっては、エネルギー消費が増えることもあるため、設置前にしっかりと検討することが重要です。

全館空調の電気代は1ヶ月いくらですか?

全館空調の電気代は、家の広さやシステムの使用頻度、地域の気候条件によって異なりますが、一般的には月々1万円から2万円程度が目安とされています。特に断熱性能が高い住宅では、エネルギー効率がさらに向上し、電気代が抑えられる傾向にあります。また、節電意識を持って使用することで、さらに電気代を低減することが可能です。

全館空調のデメリットはカビ発生ですか?

全館空調システムにおいてカビが発生するリスクは、結露対策と換気が適切に行われていない場合に生じます。システムが適切に設置され、定期的なメンテナンスが行われていれば、カビの発生は防ぐことが可能です。特に、十分な換気と結露対策を備えたシステムを選ぶことで、快適な室内環境を維持しつつ、カビの発生リスクを抑えることができます。

全館空調は何年くらい持ちますか?

全館空調システムの耐用年数は、システムによって大きく異なります。エアコンを利用したシステムでは10年程度でエアコンの入れ替え時期がきますが、専用設備を利用している場合はシステムによって異なるため業者に確認してみましょう。どのシステムでも定期的なメンテナンスや適切な使用を行うことで、システムの寿命を延ばすことができます。

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