【2024年版】選ぶべき北海道の断熱性能について
北海道でお家を建てる時、必ず気になる点として「断熱性能」が挙げられますよね!
「高断熱」が注目され始めてからかなりの時間が経過していますが、コロナで在宅時間が増えたこと、更にウクライナ情勢の影響も相まって光熱費の負担が増加したことで再び注目を集めています。このような背景もあり、実はここ数年で住宅市場の断熱性能も大きな変化がありました。
そこで今回は、「北海道の住宅で必要な断熱性能(2024年版)」についてお伝えしていきます!
目次
1.ZEH水準が最低ライン
ひと昔前まで「ZEH」と聞くと高性能住宅というイメージがあったと思いますが、現在はZEH水準の省エネ性(断熱性・1次エネルギー消費の削減量)を持つ住宅が当たり前の時代になっています。
下記は2023年における新築戸建住宅のBELS評価書(☆5評価)の取得率のグラフです。BELS評価は住宅の省エネ性を評価するもので、☆5(最高等級)はZEH水準の省エネ性(断熱等級5以上&1次エネルギー消費量等級6)であることを示します。
※建築着工統計調査、一般社団法人住宅性能評価・表示協会の統計調査より算出しています。
上記のグラフを見ると、ZEH水準の住宅は全体の約40%となっており44の都道府県で取得率30%を超えています。また、BELS評価ではなく長期優良住宅(ZEH水準の他に耐震などの高基準をクリアした住宅)の認定を受けている住宅も多く、BELS評価と長期優良住宅の認定件数を足すと新築住宅の70%以上がZEH水準ということになり、両方取得している件数が一定数あるとしても過半数は明らかに超えていると考えられます。(BELS評価書が必要な補助金等の申請では、長期優良住宅の認定通知書で代替することができ範囲も広いため)
2030年にはZEH水準の義務化が始まりますが、現時点で既にZEH水準が当たり前という時代になっています。
2.選ぶべき断熱レベル
世の中には様々な断熱方法がありますが、住宅性能表示制度により性能の良し悪しを示すときには「等級」を用いることになっています。断熱仕様は各社で異なりますが「断熱等級は何か」を聞くと簡単に比較することが可能になり、等級は主にUA値(熱の損失を表す数値)で決まります。
※国土交通省資料より
断熱等級の基準は地域(1地域~7地域)によって異なり、上記は2地域(札幌等)の断熱イメージになります。断熱等級も1~7に分かれており、1が最低基準で7が最高等級となります。
等級7:技術革新を促すための長期誘導目標(2050年)
等級6:ZEH水準を超える数値、当面の目標数値
等級5:ZEH水準
等級4:省エネ基準
※等級3以下は2025年から廃止、等級4は2030年までに廃止されます。
等級5(ZEH水準)が当たり前になっている理由は、サッシを複層ガラス(2枚)からトリプルガラス(3枚)に変える程度で達成できてしまうからであり、この程度の変化であるからこそ2030年から等級5以上が義務化されるという訳です。
断熱等級7は製品等の技術革新を促すために設定された高い数値目標であり現時点で達成するにはコストの大幅な上昇や間取り、窓の数やサイズなど各種制限が前提となっています。
一方で、等級6は当面の目標数値であり現時点でも工夫次第で達成可能な数値として2022年に設定されています。2019年に実施された札幌版次世代住宅に関する調査では等級4と等級6の建築コストの差は坪単価4万円となっており、補助金や住宅ローン控除、断熱性能向上による光熱費の軽減額などを考えると、一般的な広さの住宅であれば坪単価4万円を掛けても等級6を取得した方が金銭的にお得になる可能性が非常に高く、更に快適に過ごすことが可能となります。
ちなみに、2023年に北海道で新築された戸建住宅のおおよそ5戸に1戸は断熱等級6以上であることがBELS評価の取得件数から分かっており、長期優良住宅の件数も含めるとそれ以上の可能性があります。
現実的に実現可能で、コスト面でもお得になる可能性が高く、より快適に過ごすことができる断熱等級6が現時点の北海道で選ぶべき断熱レベルであると言えるでしょう。
3.断熱方法について
戸建住宅の断熱方法には、、「外壁の断熱」「天井・屋根断熱」「床・基礎断熱」の3つです。外壁の断熱は必ず行いますが、天井と屋根、床と基礎はいずれもどちらか片方を選んで断熱します。また、外壁の断熱には3つの工法があり、「充填断熱(内断熱)」「外張り断熱(外断熱)」「付加断熱(ダブル断熱)」のいずれかを選択します。
住宅の省エネルギー設計と施工2023(国土交通省資料)によると、北海道の家の断熱は、付加断熱が66%、充填断熱のみが30%、外張り断熱のみは4%です。天井・屋根断熱では天井断熱70%・屋根断熱30%、床・基礎の断熱では床断熱66%、基礎断熱34%(うち両面基礎断熱は8.6%)です。
構造や工法によって、各社が良いと思う断熱方法や使用する断熱材の種類や厚さを決めていますが、北海道の家では一定の傾向があります。例えば、外壁の断熱では外断熱のみは少なく、ほとんどがダブル断熱です。但し、単純に割合が高い方がおすすめ出来るという訳ではありません。メリットとデメリットをよく理解した上で選ぶことが重要です。また、リフォームの場合は希望する断熱方法が行えるか、断熱を強化することにより耐震性に問題ないかなど特に気を付ける必要があります。
充填断熱(内断熱)
充填断熱のメリットは、外張り断熱に比べてコストが安く、凹凸のある間取りでも施工しやすく、断熱材も繊維系・発砲プラスチック系など選んで使用することができます。デメリットは、断熱材が柱の太さまでの厚みしか入らないため、柱を太くしなければ断熱効果を高めることはできないことです。
外張り断熱(外断熱)
外張り断熱のメリットは、充填断熱に比べて断熱効果を高めやすく、気密性にも優れている点です。一方デメリットは、充填断熱よりもコストが高く、外壁が厚くなるため複雑な間取りでは施工が難しく、狭小地には向かない場合があります。
付加断熱(ダブル断熱)
付加断熱のメリットは、1番高い断熱性と気密性を持つことです。デメリットは、1番コストが掛かり、適切に施工するための技術が必要になることです。
北海道の新築住宅では66%が付加断熱であることから、付加断熱ではない住宅は断熱性能が低い可能性があると考えてよいでしょう。また、年々付加断熱の割合が高まっていることから、北海道における断熱の基本になり得るため、選ぶ際は付加断熱がおすすめです。
天井断熱
天井断熱とは、天井部分に断熱材を設置する断熱方法です。メリットとしては、屋根断熱に比べて施工面積が少なくコストを抑えられ、冷暖房の対象面積も少ないためエネルギー消費を抑えられることです。デメリットは、小屋裏の活用が難しいため、ロフトや小屋裏を活用した間取りには不向きであることです。
屋根断熱
屋根断熱とは、屋根部分に断熱材を設置する断熱方法です。メリットとしては、小屋裏やロフトなど空間利用に自由度が増すことです。デメリットは、施工コストが高くなり、冷暖房面積も増えるためランニングコストも増加します。
小屋裏の活用やロフトをつくりたい場合には屋根断熱、特にそのような予定がない場合は施工コストが抑えられて、冷暖房面積が少ない天井断熱を選ぶと良いでしょう。
床断熱
床断熱とは、フローリングなどの床材と床下空間の間に断熱材を設置する工法です。メリットは、床下に外気を取り入れることで常に空気を循環させることができ、湿気を抑えることができます。デメリットは、断熱材の厚みは床下空間と同じであるため断熱性能を高めるのに限界があり、気密性も低く外気の影響を受けやすい点です。
基礎断熱
基礎断熱とは、基礎部分に断熱施工することです。基礎断熱は内部(建物側)もしくは外部(外側)に施工する方法と、内外部どちらも断熱する両面断熱があります。北海道の場合、外部に施工する方法と両面施工が多いです。
基礎断熱のメリットは、床下を室内と同程度の温湿度にすることができ、床下を利用した暖房設備を使用することができます。デメリットは、床下に空気が溜まりやすくなるため、適切な換気が行われないと結露の原因になることと、シロアリ対策も並行して行う必要があります。
最近普及し始めている全館空調と基礎断熱の相性はよく、デメリットである換気不足の対策にもなります。暖房設備を床下に設置する場合や全館空調のように床下の空気を循環させる場合は基礎断熱が必須と言えます。床断熱と基礎断熱のどちらが良いかは、使用する暖房設備によっても変わります。
4.断熱材について
断熱材には、グラスウールなどの繊維系、吹付け、発泡プラスチックなど様々な断熱材があります。断熱方法や断熱性能によって使用されている断熱材の種類や厚みは異なります。各社は、商品コンセプトや工法などを考慮し、どのような断熱方法で、どのような断熱材を使用するか決定しています。そのため、断熱性能の向上は依頼できても、断熱材の変更を建築会社に依頼することは難しいのが実情です。
また、断熱材だけではなく窓や玄関などの開口部の断熱にも気を遣う必要があります。北海道の新築戸建てでは、高断熱高気密住宅が普及しており、トリプルガラスや高断熱の玄関ドアが一般的になってきています。これらはほとんどの建築会社に依頼して実現できるため、依頼することをおすすめします。
5.注意すべきこと
断熱等級の高い仕様であると説明を受け選んだとしても、
①断熱等級の高い仕様であることの保証
②仕様通りに建築される確約
この2点をしっかり抑えておかなくては意味がありません。せっかく選んでも、実は仕様通りに建築されず断熱性を満たしていないことも十分あり得ますし、その性能を有していることをそもそも確約していないと言われたらそれで終わってしまいます。このような不安を解消するのが「設計性能評価書」です。
設計性能評価書は、設計時点における断熱等の各種性能を第三者機関(指定性能評価機関)が評価し等級で示すものです。評価書を契約書に添付、または事前に交付していた場合はその通りの性能を有している住宅を建築することを契約者に対して契約したものとみなされると「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で規定されています。
新築建売住宅などでは事前に発行しているケースもありますが、注文住宅の場合は契約後に申請されることが多いため、設計性能評価書が交付される旨とその等級について契約書に記載していることが重要です。また、設計性能評価書の他に長期優良住宅の認定やBELS評価書でも代用できそうですが、設計性能評価を取得し建設性能評価を受けることによって設計書通りに建築されているか第三者機関による現場検査が入るため、設計性能評価を取得することがとても重要になります。※北海道では、設計性能評価を受けても建設性能評価は受けない住宅が大多数のため必ず受けるようにしましょう。
様々な状況から考えると、北海道で選ぶべき断熱性能は「設計・建設性能評価を受けた断熱等級6」だということがわかりますね!快適な暮らしのために是非実現させていきましょう!
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