【金利講座②】金利の仕組みを知ろう!
前回の記事では、金利とは何か?金利の役割について解説してきました。
金利は「お金の役割や価値を保つためにお金の供給量をコントロールする」ために必要とお話しましたが、今回は「金利が変わる理由とその影響」について簡単に解説していきます!
記事の要点
・金利は日本銀行の金融政策によって変わる。
・「物価を下げるとき」「円安のとき」に金利は上がる。
・「物価を上げるとき」「円高のとき」に金利は下がる。
・「長期金利」「FRB」のワードが出たらニュースに注目。
目次
1.金利が変わる理由
「世の中に出回るお金の量を増やすか減らすかで金利が決まる」と前回の記事でお伝えしましたが、中央銀行(日本銀行、お金を発行しているところ)の金融政策(物価の安定のために行う色んなこと)によってお金の量が左右されます!
景気・物価・為替などの状況を判断して物価の安定に向けて様々な対策を行いますが、基本的に中央銀行がお金の供給量に関する方針を決めて各金融機関の判断で金利を決めることになります。
◆金利(市中金利)とは
民間の金融機関の貸出・預金金利など。住宅ローンなどで使われる金利のイメージです。
◆景気とは
経済活動の状況を示すもの。活発であれば「好景気」、活気がないと「不景気」と呼ばれます。
◆為替とは
外国のお金と交換するときの交換比率。相対的に高いと「円高」、安いと「円安」と呼ばれます。
※ややこしいですが金利は「政策金利」「市中金利」の2種類あり、一般的に使われる「金利」は「市中金利」を指すことが多いです。また貸出金利と預金金利などもありますが難しくなるので今回は貸出金利に限定していきます。
簡単にどのような流れになるかと言うと、
金融対策を決定
(お金の量を増やすか減らすか)
⇩
金利・景気・為替が変化する
⇩
物価が安定する
こんなイメージになります。実際には為替の変動などでも銀行の判断で金利が変わったりしますが、大きな変化は金融政策によって変わることがほとんどです!
2.金利が上がる理由と与える影響
基本的に金利を上げる場合はお金の量を減らすことで物価・景気を下げる動きのときに起きます。
色々な方法がありますが、主な方法として日銀が金融市場で債権や手形などを売ることでお金を回収するという感じです。
また、お金の量が減ることにより金利が上がってしまうこともあります。
円安になると、「外貨(ドルやユーロなど)に変える」「投資をする」「物を買う」など、預金を引き出すことが多くなり流通するお金の量も減ります。当然銀行のお金も少なくなり貸せるお金に限りがあるので金利が上がってしまいます。金利が上がっていくと、外貨を売って日本の国債を買ったり日本に預金する人も増えてくるため円高になると考えられています。
つまり金利が上がる理由は「物価を下げる動き」と「円安の影響」ですね!
3.金利が下がる理由と与える影響
基本的に金利を下げる場合はお金の量を増やすことで物価・景気を上げる動きのときに起きます。
色々な方法がありますが、主な方法として日銀が金融市場で債権や手形などを買い取ることでお金を供給するという感じです。
また、お金の量が増えることにより金利が下がってしまうこともあります。
円高になると「外貨から日本円に変える」「預金をする」「日本への投資が増える」など円の需要が増えて流通するお金の量が増えます。当然銀行のお金も多くなり貸せるお金に余裕があるので金利が下がります。金利が下がっていくと、円を売って外国の国債を買ったり海外に預金する人も増えてくるため円安になると考えられています。
つまり金利が下がる理由は、「物価を上げる動き」と「円高の影響」ですね!
4.注目すべきニュース
上記2と3で色々お話しましたが、金利・景気・為替などの影響で色々変わったりするのでとりあえずどんなニュースに注目しておけば良いか簡単に説明します!
◆10年国債金利(長期金利)
現在の日銀の主な金融政策は「10年国債金利(長期金利)」を目安にしており、ここでいう10年国債金利は利回りのことを指します。金利(利回り)が低くても買うということはお金の供給量を増やす、金利を高くして買うということはお金の供給量を減らすという方針になります。「長期金利」のようなフレーズがニュースで出たら何かしらの影響があると思いましょう!
国債金利(利回り)が低くても買う ⇒ 「物価を上げる・金利を下げる動き」
国債金利(利回り)を高くして買う ⇒ 「物価を下げる・金利を上げる動き」
ちなみに2020年頃までは金利0%程度を目安に買ってましたが、一昨年くらいから利回りを上げる方針を示しており今年10月では1%程度を目途とする方針にしているので少しずつ金利を上げる動きになっています。※為替の影響など色々あります。
◆FRBの利上げ
FRB(連邦準備制度理事会)はアメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関で、イメージ的には日銀のようなものです。アメリカの方針(ドルの動き)は為替に大きく影響するため無視できません。FRBは政策金利というものを目安に金融政策を行っており、政策金利が上がればお金を吸収して下がれば供給するという方針になります。
政策金利が上がる ⇒ 「物価を下げる・金利を上げる動き」 ⇒ 円安に繋がる(金利が上がる)
政策金利が下がる ⇒ 「物価を上げる・金利を下げる動き」 ⇒ 円高に繋がる(金利が下がる)
上記の通り、「長期金利」「FRB」というワードが出てきたら「日本の金利にも影響あるかもしれない!」と思った方が良いかなと思います。
5.次回予告
1.住宅ローン金利の種類と仕組み
2.全期間固定金利とメリット・デメリット
3.変動金利とメリット・デメリット
4.固定金利特約型とメリット・デメリット
5.金利の選び方
ざっくり、わかりやすく解説しますのでご覧ください!
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