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【ZEHってなに?】北海道のZEHについて詳しく解説

【ZEHってなに?】北海道のZEHについて詳しく解説

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ZEHという言葉がつくられてから年数がたちましたが、良く知らないという方はもちろん、住宅業界の中でも詳しく知らない方も多くいます。そこで今回は、北海道・札幌におけるZEHについて詳しく解説していきます。

【目次】

1.ZEHとは

2.ZEHの要件について

3.北海道内でも異なるZEHの要件

4.ZEHは意味がない?

5.ZEH水準の住宅とは

1.ZEHとは

ZEHの歴史は意外と浅く、2008年頃からアメリカで「新しい省エネの形」として注目され始め、日本では2014年4月にエネルギー計画において2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指すことを閣議決定されました。

ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」とされています。

実は「太陽光発電が必須」と思われているZEHですが、一定の要件を満たすことで太陽光発電設備がなくてもZEHの認定を受けることが可能となっており、特に北海道においては可能な地域が多く存在しています。

2.ZEHの要件について

ZEHには大きく3種類あります。

【外皮基準】

強化外皮基準は建物の外壁や屋根、窓や断熱材など外皮の断熱性能を判断する基準です。主にUA値(外皮平均熱貫流率)で地域毎に分かれており、1・2は北海道の大部分と東北の一部(代表地域:1/夕張市、2/札幌市)となっています。※詳しくは地域区分新旧表でご確認頂けます。外皮基準は断熱等級の指標にもなっており、1・2地域の等級7=≦20、等級6=≦0.28と、等級5=≦0.40と、数値が低い程断熱性能が高いことを意味します。

【一次エネルギー消費量削減率】

一次エネルギーとは、石油・石炭・天然ガスなど加工していない状態のエネルギーを指し、家庭などで使用される一次エネルギー量を示すものが一次エネルギー消費量、省エネ基準と比較してどれだけ削減できるかを示すのが一次エネルギー消費量削減率となっています。(電気など加工されたエネルギーは一次エネルギーに換算します)

ZEHの種類は『ZEH』「Nearly ZEH」「ZEH Oriented」の3種類で、『ZEH』「Nearly ZEH」の上位バージョンとして『ZEH+』「Nearly ZEH+」が存在しています。表の1番上の『ZEH』を示すときは左のようなカッコをつけることがルールで、他のZEHも含めてZEH全体を示すときはカッコをなくします。大きく分けるとこの3つですが、違いは「再生可能エネルギー設備の有無」と「一次エネルギー消費量削減率」です。

共通の要件として再エネ設備の有無に関わらず住宅性能のみで20%以上の削減が必要ですが、削減率100%以上が『ZEH』、削減率75%以上~100%未満が「Nearly ZEH」、再エネ設備なしが「ZEH Oriented」になります。つまり、太陽光発電などの設備がなくてもZEHの認定は受けられますが、一定の対象地域である必要があります。

◇狭小地等であること

北側斜線規制が定められている地域であって、敷地面積が 85 ㎡未満である土地。(平屋以外)

◇多雪地域であること

建築基準法で規定する垂直積雪量が 100cm 以上に該当する地域

「ZEH Oriented」の場合、上記のいずれかに該当する必要がありますが、北海道は85㎡未満の土地に建築することは多くないため「垂直積雪量が100cm 以上」で要件を満たすことになりますが、北海道内でも要件を満たせない地域があります。

3.北海道内でも異なるZEHの要件

特定行政庁により垂直積雪量という数値が定められており建物の構造計算時に必要な数値となっています。ZEHにおける多雪地域は垂直積雪量100cm 以上なので、北海道ならそれくらい雪は積もるでしょう・・・と思いそうですが、実は100cm未満の地域もあります。

以下は北海道HP(垂直積雪量)から引用した一部です。

意外なことに、100cm未満の地域もあることがわかります。ちなみに札幌市の場合は南区の一部で190cm、その他は140cmとなっており、後志管内(ニセコなど)や旭川市の一部では道内最高の230cmとなっています。同じ北海道でも垂直積雪量が100cm未満の地域では『ZEH』「Nearly ZEH」の要件を満たさなければZEHの認定が受けられないため注意が必要です。

4.ZEHは意味がない?

ZEHが意味がないということはまずあり得ません。未だにそのような記事を見かけたり、メリットがないと説明をしている会社もあるそうですが、2023年の補助事業であるこどもエコすまいの要件で重なる部分が多く、来年以降住宅ローン控除の上限額にも差がついています。さらに、2030年までにはZEH水準の断熱性能・一次エネルギー消費量へ適合義務化が予定されています。

太陽光発電など再生可能エネルギー設備の導入については、まだまだ議論がわかれているところではありますが、少なくともZEH水準の断熱性能と一次エネルギー消費量を有した住宅にしていく必要はあります。

5.ZEH水準の住宅とは

現行の基準では、ZEH水準は「断熱等性能等級5以上」「一次エネルギー消費量等級6」とされています。こちらは先ほどの補助事業や住宅ローン控除の上限額引き上げの基準となっています。

建築コストが上がるという話もありますが、下記のアンケート調査(札幌版次世代住宅に関する調査)についてまとめた表を見て頂くと大きくコストを上げずに建築できることがわかります。

2024年から義務化となる省エネ基準の平均坪単価とZEH水準の坪単価では変わらないため十分実現可能であることがわかります。

また、一次エネルギー消費量等級6の取得には、省エネ性能に優れた冷暖房・給湯・換気・照明設備が必須で、特に冷暖房設備と給湯設備は大きく影響します。住んだ後の光熱費にも直結するため、住宅会社と話をするときは過去の建築事例でも良いので一次エネルギー消費量がどうだったか聞く必要があります。ちなみに、再エネ設備による削減量を含めない数値であること、更に個別エアコンなどの冷暖房機器を設置する可能性がある場合はそれらも含めて聞かなければ意味がありませんので注意が必要です。

今回はZEHについて解説してきました。数年前と比べて要件が広がり、建築コストの面でも十分実現可能となっています。2030年までの義務化の前に、検討していきたいところですね。


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