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【北海道の断熱性能】色んな意見をまとめてみました!

【北海道の断熱性能】色んな意見をまとめてみました!

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【断熱等級6・7級が10月に創設】

住宅を建てるとき、北海道のお住まいの方なら当然気になる「住宅の断熱性能」ですが、一体何を基準に「良い」「悪い」を判断したら良いかわからない人も多いと思います。

住宅会社に話を聞きに行くと、

「当社の住宅は断熱性に優れているので・・・」

「ウチは〇〇断熱で、断熱材には△△を使用していて・・・」

「私たちは断熱材を◎◎ミリの厚さで使用しており・・・」

なんて言わることが多いですが、専門知識がある訳でも適切な比較対象がある訳でもないので、何を基準に判断したらいいかわかりませんよね!

そんな中、今年はこの「わからない」を解消してくれる大きな動きがありました。

これまでもあった「住宅性能表示制度(断熱や耐震などの性能を等級で分けて誰にでもわかりやすくする制度で、等級が上がるほど高性能になります。)」のうち、断熱等性能等級がこれまで4級までだったのが、4月にはZEH水準の断熱等性能等級の5級、そして10月からは6・7級が新たに創設され、これまで「断熱性能が良い」と漠然と説明を受けていたものが、より明確に細分化された数字・等級として消費者が理解できるようになりました。

さてこの断熱等級ですが、一体どこまで目指すべきなのかは様々な議論があり、「5級で充分」という人もいれば、「6級は必要」という人、「価格が高くなるから意味がない」という人もいます。

そんな訳で今回は、断熱等級に関するまとめと有識者などの意見をまとめてみました。

【目次】

1.断熱等級を増やした意味とは

2.断熱等級の違いと最低限必要な断熱等級は?

3.有識者等の見解

4.北海道で必要な断熱性能とは

5.住宅会社の選び方

1.断熱等級を増やした意味とは

そもそもなぜ断熱等級が増えたかというと、

①同じ4級でも性能に大きな差があり性能の違いが消費者にとって不透明な状態だった

②カーボンニュートラルの実現に向けた具体的な目標設定のため

(2025年までの省エネ基準適合義務化、2030年までのZEH基準適合義務化(予定))

③昨今のエネルギー問題からCO2削減のスピードを向上させるため

など様々な理由がありますが、根本的には住生活基本計画(住宅政策の基本になるもの)に沿って行われているものになります。

※住生活基本計画の内容はこちら(国土交通省HP)

エネルギー問題やカーボンニュートラルの実現に向けて「本気で住宅の省エネ性能を向上させる」という決意の表れですね!これにより、住宅を選ぶ人にとって等級の違いがわかりやすくなりました。

2.断熱等級の違いと最低限必要な断熱等級は?

断熱等級は1~7まであり、基準には大きな違いがあります!

等級1    ⇒ 下記以外

等級2    ⇒ 1980年の基準

等級3    ⇒ 30年前の省エネ基準

等級4    ⇒ 省エネ基準(2025年度から適合義務化)

等級5    ⇒ ZEH基準(2030年までに適合義務化(予定))

等級6    ⇒ ZEHを超える基準(当面の目標数値)

等級7    ⇒ ZEHを超える基準(2050年までの長期目標)

※ZEHとは、年間の一 次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅で、北海道などの寒冷地では太陽光発電不要でもZEHの認定を受けることができます。

※各等級にはUA値等の具体的な基準があります。

この基準で考えると、「等級3以下は明らかに現代の基準に適合していない」ことがわかります。

また今後の動きとして、

・2025年度からは等級4以上が義務 ⇒ 等級3以下がなくなる(2020年には義務化予定でしたが延長)

・2030年までには等級5以上が義務 ⇒ 等級4以下がなくなる(予定)

近い将来で断熱性能の最低基準が大きく変化することから、

「現在でも十分実現可能で、近い将来最低限必要とされるレベルが等級5」

と考えることができます。

では、北海道の場合はどうなのか?

この各等級については、地域毎に設定しており当然北海道では他地域と比べてより厳しい基準とはなっていますが、果たして等級5では「十分な断熱性能」と言えるのでしょうか?北海道で暮らす以上、冬の暖房に掛かるエネルギー消費(光熱費)は家計を直撃する重要な問題となります。

この考え方については、有識者の方々も同様の見解を示しており、特にポイントとして挙げているのが「断熱性と消費エネルギー」の関係性です。

3.有識者等の見解

様々な取材記事、セミナー等で発言されていた有識者の方々の意見をまとめると下記のようになりました。

断熱等性能等級 断熱性能 建築コスト 光熱費 非推奨暖房設備
7級 かなり高い かなり高い 安い なし
6級 高い~かなり高い 少し高い~高い 安い なし
5級 少し高い 普通~少し高い 少し高い 全館空調
4級 現行基準レベル 普通 高い 全館空調

 

【断熱性能】

等級が上がるほど高性能であることは共通認識ですが、新等級創設に関わった審議会委員の方は、

等級5 ⇒ 国の誘導基準

等級6 ⇒ 現状でも工夫次第で到達可能な範囲

等級7 ⇒ 現状ではかなり無理をして到達可能な範囲

上記のようにお話をしてました。等級7については、今後の建材等の技術革新を促す目的もあるとのことです。

そのため建築コストが大きく異なるのではないかと推察されます。

【建築コスト】

こちらはアンケート調査(札幌版次世代住宅に関する調査)を基に記載しています。

同じ等級でも数値に差があるため表現が難しいですが、

等級4と等級5         ⇒ 坪単価73万円   ⇒ 坪単価では大きく変わらない

等級4と等級5(6に近い)  ⇒ 坪単価75万円   ⇒ 坪単価プラス2万円

等級4/5と等級6        ⇒ 坪単価78万円   ⇒ 坪単価プラス5万円

等級4/5と等級6(7に近い) ⇒ 坪単価94万円   ⇒ 坪単価プラス21万円

等級4/5と等級7基準超え    ⇒ 坪単価103万円 ⇒ 坪単価プラス30万円

このような調査結果となっています。実は等級6までは建築コストが大きく変わらないことが事業者に対するアンケートによって判明しており、予算が高い方以外でも等級6までなら十分検討できることがわかります。

【光熱費】

断熱性能が良いということは、住宅で消費するエネルギーを軽減することができるため、断熱等級が上がるほどその分光熱費を抑えることが可能という認識は共通していました。

また、等級を上げるために建築コストが上昇しても等級6程度であれば光熱費の削減分で後々お得になるという試算をした研究機関もありました。

一方で、北海道の場合では設計時に暖房設備の利用のみを前提とした住宅もあり、冷房では個別エアコンを設置する(もしくは冷房設備は設置しない)こと、断熱等級によっては適さない暖房設備があるという調査結果もあり、断熱性能に適した冷暖房設備の選択が、同じ等級内でも消費エネルギー(光熱費)に与える影響が大きいとの見方がありました。

【非推奨暖房設備】

上記でも説明した通り、等級によって適さない暖房設備があることが、試算・調査データにより指摘されていました。

表では「全館空調」と記載していますが、全館空調の場合は基本的に「熱の効率的な活用」「小さなエネルギーを最大限活用する」ことを前提としているため、断熱性能が低い場合はその効果が失われることになり、試算では等級5の全館空調(24時間稼働の暖房)と等級4の間欠運転をする暖房設備では、全館空調の方が消費エネルギーが多くなる(光熱費が高くなる)という見方もありました。

そのため、断熱性能に見合った暖房設備の選択が重要となるでしょう。

4.北海道で必要な断熱性能とは

結論:断熱等性能等級6級以上

「現時点で十分実現可能で、建築コストもそれほど高くなく、光熱費を安く抑えることができ、どんな冷暖房設備でも一定の効果を得ることができる」ということを考えると、断熱性能は等級6を前提に考える事が一番良いのではないかと思います。

5.住宅会社の選び方

等級6の認定を受ける場合は、設計・建設性能評価(国交省による指定認定機関の評価)が必要なため、設計時から施工中まで厳しい検査が行われることになります。その分人工が発生したり、工期が延びる可能性があることから、慣れていない会社では通常よりも建築価格が割増となることもあります。

また、等級6以上を標準、もしくは主力として住宅を建築している会社であれば、部材や工法の工夫を既に行っているためコストダウンも図れていると思いますが、それ以外の住宅会社の場合は「高断熱商品」に頼りきってしまう傾向にあり、建築コストが高額となる場合もあります。

そのため、「設計・建設性能評価を受けることが当たり前で、等級6以上を標準(主力)としている住宅会社」を選ぶ必要があります。

このような会社はたくさんありますので、ぜひ探してみましょう!


住宅日和では、

設計・建設性能評価(断熱等級6級以上・1次エネルギー消費量等級6級以上)&長期優良住宅&BELS☆5が標準と

なっていますので、ご興味ある方はぜひお問合せください!

 

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