【2022年10月以降】電気料金の値上がり予想
前回に続いて、電気料金についてお話します。
前回の記事はこちら
□前回のまとめ
1.「円安」「世界的な化石燃料の需要増加」「ウクライナ侵攻によるエネルギー問題」で化石燃料が高騰
2.化石燃料(燃料費)の高騰により発電費用が増加
3.燃料費調整制度により、燃料価格の値上げ分が電気料金に反映(⇒電気料金が値上がり)
4.燃料費調整制度の上限廃止により、料金プラン次第ではこれまで以上に電気料金が高騰する可能性
今回は、実際に電気料金がどれくらい上がるのか、気を付けるべきポイントなど、 具体的な金額も含めてお伝えしていきます。
1.料金プランを確認しましょう
まずはじめに、現在契約している料金プランを確認しましょう。
なぜ料金プランを確認するかというと、
プランによって、「これ以上影響を受けない人」と「大きく影響を受ける人」の2通りに分かれるからです!
今回注目すべき点としては、「燃料費調整制度における上限額の廃止※」ですが、
※上限額が廃止になると、燃料費が高騰した分だけ電気料金に上限なく反映されます。
上限廃止となる料金プランの多くは「自由料金プラン」と呼ばれるもので、
オール電化や利用時間帯によって電気料金がお得になるようなプランのことで、
「従量課金」と呼ばれる使用分に応じて電気料金が決まるプラン以外のことを一般的に指します。
(大手電力会社との契約でも自由料金プランは存在します。)
従量プランの人 ⇒ 現在より、電気代が高くなる状況にはありません。(2022年9月13日現在)
自由料金プランの人 ⇒ 現在より、電気代が高くなると思ってください。(2022年9月13日現在)
こう見ると、「自由料金プランの人が損をする」という印象を受けますが本当にそうなのでしょうか?
2.実際に計算してみる
従量プランの人と自由料金プランの人で、どれくらい料金が異なるのか計算してみます。
◆計算例について
消費電力 :4,322kWh(1世帯あたりの平均電気消費量)
月平均電気消費量 :360kWh(4,322kWh ÷ 12か月で仮定)
従量プラン電気料金単価:最初の120Khまで23.97円/121-280kWhまで30.26円/281kWh-33.98円
eタイム3プラス :13-18時 40.67円/8-13・18-22時 30.90円/22-8時 14.63円/平均27.22円/1kWh
(ヒートポンプ式の給湯(エコキュートなど)・暖房(エアコンなど)を持っている人におススメのプランで、 12~3月は電気料金が10%割引)
※料金プランは、北海道電力HPより引用。
※eタイム3プラスの平均28円は、当社お客様の平均から算出しています。
◇使用電気料金のみで計算した場合(基本料金・再エネ賦課金等を除いた使用分のみを計算)
ー⓵ 【従量プランの場合】
23.97円 × 120kWh = 2,876.4円(最初の120kWh分)
30.26円 × 160kWh = 4,841.6円(121-280kWhまでの分)
33.98円 × 80kWh = 2,718.4円(280kWhを超える分)
合計 10,436.4円/月 × 12か月 = 約125,236円/年
【自由料金プラン(eタイム3プラス)の場合】
平均27.22円 × 4,322kWh = 約117,644円/年
【結論】 使用料金のみで考えると、大きな差はありませんが自由料金プランの方が少しだけお得! ※冬季の10%割引計算は後ほど行います。
◇燃料費調整を計算
燃料費調整とは、【使用電力 × 1kWhあたりの燃料費調整単価】で計算されます。
【従量プランの場合】
従量プランの場合、燃料費調整の上限の廃止がないため調整単価は3.66円(北海道電力上限値)となります。
4,322kWh × 3.66円 = 約15,818円/年(燃料調整費)
こちらが、従量プランの場合の燃料調整費(上限)となります。
【自由料金プランの場合】
自由料金プランの場合、前回の記事でも掲載しているように上限の廃止となり、 調整単価は8.39円(10月の場合)となります。※12月から適用予定
4,322kWh × 8.39円 = 約36,261円/年(燃料調整費)
【使用料金と燃料調整費の合計比較】
従量プラン = 125,236円 + 15,818円 = 合計 141,054円
自由料金プラン = 117,644円 + 36,261円 = 合計 153,905円
【結論】 使用料金と燃料調整費を合計すると、従量プランの方がちょっとお得になる・・・?
【冬季割引分を計算】
自由料金プラン(eタイム3プラス)の場合、冬季間の10%割引があるので 追加で計算してみます。
117,644円/年(使用電力分) + 153,905円(燃料調整費) = 271,549円/年 271,549円/年 ÷ 12か月 × 4か月(12~3月) × 10%
= 9,051円(割引分)
※寒冷地の場合、冬季の方が電気消費量が多くなるため本来であれば上記よりも割引分は大きくなりますが 上記計算では考慮していません。
◇最終計算
従量プラン = 125,236円/年(使用電力分) + 141,054円/年(燃料調整費) = 266,290円/年
自由電力プラン = 117,644円/年(使用電力分) + 153,905円/年(燃料調整費)- 9,051円(割引分) = 262,498円/年
ということで、「現時点での予測ではどちらのプランでもあまり変わらない」ということになります。
※基本料金、使用方法等にもよります。
3.結局どうしたらいいの?
これまでの計算を見ると、この先また燃料調整費も上がる可能性あるし、
自由料金プランの人は、従量プランに変更した方がいいのかも・・・と思いますよね?
実はこれ、
・オール電化住宅に住んでいる/住んでいない
・年間の電気使用量
・平均単価(1kWhあたり何円か)
・電気代の激変緩和の新制度
これらによって大きく変わります!
特にこの新制度については注目ですね・・・!
【株式会社 住宅日和】
◇オフィス:札幌市北区あいの里1条6丁目2番2号 ネオ・シティーあいの里Bステージ2号棟1F
◇Webサイト:https://j-hiyori.com
◇Tel:0120-832-836