【業界ニュース】建築物省エネ法改正案が提出予定
もう既に知っている人もいるかと思いますが、
建築物省エネ法の改正案が今国会に提出される予定となっています!
すぐにどうなるという話ではないですが、結構インパクトのある話なので
少しお話しようと思います。
【目次】
正式には、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」といい平成27年に公布されました。
目的としては、
「建築物におけるエネルギー消費量が増加しているので、建築物のエネルギー消費性能の向上を図りましょう。」というものです。
実は、断熱性能や一次エネルギー消費量などの省エネ基準にも関わっているものです。
主な点としては、
①新築住宅・建築物についてはZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保される
②新築戸建住宅の6割において太陽光発電設備が導入される
今国会で提出される予定としては、主に①の点となるようです。
現在の断熱性能や一次エネルギー消費量については「省エネ基準」が設けられており
その数値と比較した場合にどれだけ優れているかで、性能評価やBELSの等級が決まり、ZEHの認定などに繋がっていましたが、
この法案改正が可決されると、
2025年度以降の新築住宅・建築物については、「省エネ基準への適合が義務化」されることになります。
更に、現段階の計画ではありますが、
遅くても2030年までには、「ZEH基準までの適合の義務化」を掲げています。
※②については、設備の導入拡大については検討をする方向でいますが、義務化への課題があるため、義務化も選択肢の一つとしながら、今後も普及拡大については議論を進めるようです。
①ZEH基準の省エネ性能(断熱・一次エネルギー消費量)を持つ住宅が当たり前になる
現在の省エネ基準への適合が義務化され、2030年までにZEH基準への義務化がされるということは、原則としてその性能を下回る住宅が建築できなくなるということになり、
「現在と比べ高い省エネ性能を有した住宅のみ新築できる」状況に大きく変わるということです。
更に、お家を建てるときに「寒い」「暑い」という点においてはとても不安に思うところかと思いますが、「義務化する=数値で明らかにする」必要があるので、その建築会社で建築する住宅の省エネ性能の(平均)値がわかるようになり、数値で比較することができるようになります。
「A社は太陽光発電がないのに、数値が〇〇ですごい」
「B社は数値が△△だけど、太陽光発電があるからかな」
というように、より安心して比較検討がしやすい状況になります。
②ローコスト住宅の概念がなくなる可能性
現在では、高い省エネ性能が義務化されているわけではありません。
そのため、断熱性能を上げるためには追加費用を支払ったり、場合によってはできないと断る会社もあります。ローコスト住宅と呼ばれるものとハウスメーカーを比較した場合、標準仕様で省エネ性能が高いのはハウスメーカーであることがほとんどです。
標準性能を落として価格を下げていた会社などは、義務化により省エネ性能を落とすことができなくなるため、価格に反映され、更に各種資材の高騰にも重なり、今後ローコスト住宅という概念が存在しなくなる可能性があります。
この義務化とは別に、最近の木材や住宅設備などの高騰により、ローコスト住宅から会社イメージの転換を図っている会社も見られます。
今回は省エネ性能の話になりましたが、実は似たようなことは昔からありました。
例えば、昭和56年5月31日以前に建築された住宅は「旧耐震基準」
それ以降に建てられた住宅は「新耐震基準」
2000年以降だと「新・新耐震基準」
なんて呼ばれていたりします。
もしかすると、2025年より前に建てられて「省エネ(ZEH)基準を満たしていない住宅」は
「省エネ基準不適合」なんて呼ばれる日が来るかもしれませんね。
今お探しの方は、こういった点も考えて住宅検討すると良いのではないでしょうか!
また引き続き、新しい情報があれば発信していきますね!